紅鮭【QK】 (ページ14)

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#7-1 ページ14

今日もコンビニ。

このコンビニにそれなりの頻度で通うようになてから一年は優に超えていた。

そろそろ飽きてきた、もう少し駅に近い別のコンビニに変えようか...
なんて考えながらもつい癖でカゴを持ち、紅鮭のおにぎり2つにサラダを手に取る。
今日はお茶のパックも買おう。

「...重っ」

３本ほどカゴに入れたら案の定重い。
このくらいならと思ったのだが...

「今日はお茶パックですか？
おはようございます、Aさん。」

重いしパックの本数を減らすか検討していると横から声をかけられた。

声ですぐに誰なのかわかった。
その瞬間、自分自身に対して気持ち悪いとも感じたが...
だがそれ以上に今は嬉しさが圧倒的に勝っていた。

「おはようございます、カワムラさん。」
「お久しぶりですね。お仕事帰りですか？お疲れ様です。」

そう労いの言葉と共に微笑みかけてくる彼に神々しさを覚える。

「そうです、ありがとうございます。カワムラさんはお仕事中ですか？」
「...いえ、仕事は終えて日付変わる頃には寝ていました。この時間帯に訪れれば、Aさんにお会いできるかと思いまして。」

「...え？」

一体どういう事なのだろうか。

カワムラさんは私に会いにわざわざ起床したということ...？いやそんな事は...

「今、Aさんが考えている事から想定して回答しますが、そんな事があるんですよ。
表情に出ていたので読み取ってしまいました、すいません。」

謝っているようで謝っていないお茶目な表情を浮かべカワムラさんは謝罪してきた。

お茶目な顔すらも綺麗...

って、そんな事を考えている場合ではないのだ。

「な...なるほどです。えと...私そんな表情出てました？」

とはいえ、流石に私に会いに来たのか。を確認する事は恥ずかしく言葉にする事なんて出来なかった。
もしかすると聞き間違いかもしれない。
そんな中、自惚れ発言なんてしてみたら絶対カワムラさんに引かれるに決まっている。
きっと先ほどの予想されての回答だってお世辞だ。
うん、きっとそうだ。

　

別に恋愛感情では....まだ無い筈なのだ。

......多分。

　
でも、

それでも彼に引かれるのは嫌だと感じるのだ。

　

　
　