シャングリラに綴る戯曲【掃き溜めの星】

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配役に関しては、私が今まで一度も作中でちゃんとした形で登場していない人物達であり、特に浅葱さんは斎槻との関連性が深い人物でもある為、彼を主役に抜擢しました。うまく動かせた気がしません。


　さて、本作の解説をしていきましょう。
　まず手紙について。これは作中で語られている通り、本作のオリジナルキャラクターである金剛花陽が翠斎槻に宛てた手紙です。
　そもそも金剛花陽って誰? と言う方の為に簡単に説明しますが、数ヶ月前に下げてしまいましたが「Episode I-1:罪人はプルガトリオの夢を見る」で登場した本作のオリジナルキャラクターで、名前は出ていませんが本編小説の後半では「君」とだけ表記されていた人物でもあります。
　実は一時期やっていたイラスト集にもイメージ画付きで載せていた事もありました。大まかに説明しますと斎槻の同級生で、唯一斎槻の過去を知る人物でもあります。後は作中で語られている通りです。
　補足と致しまして、この手紙は戦争が起きる数ヶ月も前に出しています。二人は元々携帯等の電子ツールで連絡していたのですが、この時に限ってのみ花陽は手紙を送ってます。携帯では消されて終わるような気がしたんでしょうね。備忘録とも言えるんですか。斎槻にとっては厄介極まりないものを形がある状態で送られてきたので、処理には困ったでしょう。故に秘密箱に入れたのかもしれません。こうして出来たのがパンドラの箱だった訳です。開けてしまったが最後、要らぬ争いを生むだけです。
　蛇足ですが、秘密箱って調べると結構な種類があって、模様とかオシャレなんですよね。斎槻はその中でも難易度の高いものを購入しています。
　又、花陽が願望を吐露した最後の一枚は、事故です。本来は入れるつもりがなかった、伝えるつもりがなかった一枚です。
　手紙とは様々な感情を文字に表す手段の一つに過ぎませんが、携帯やパソコンで打つ電子的な文字よりも自分で書いた文字の方が感情的になり易いと私は思うのです。ですが、感情を文字に起こすのはそう簡単な事ではありません。歪になってしまうし、思った程その激情は文字には現れません。そして、そのモヤモヤとした気持ちを打つける様に鉛筆又はボールペンでぐちゃぐちゃに塗り潰すのです。それこそが紙の上に書く文字なのでしょうね。花陽の書いた最後の一枚もその一部に過ぎません。

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