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「あー、その、なんだと言われてもなぁ。その枠組みに入れて良いのか分からないが、遺書とでも言うのかもしれんな」
「遺書!? そんな雰囲気一つも……いや! なんか、すみません」
それを聞いた途端、少年の顔は血の気が引き、忙しなく表情を変えた。一方、浅葱は呆れた様に大袈裟に溜め息を吐き、続ける。
「あくまでも俺の中ではの話だ。それに、俺宛ての手紙じゃないし、書いた人物にも面識が無い」
「それって、赤の他人の手紙って事?」
「全くのって訳じゃないがな。一応、誰に宛てた手紙なのかは分かっている」
少年は水縹色の瞳でその答えを率直に求めたが、浅葱は敢えてその視線から逃れる様に背後の窓ガラスから臨む外の景色へと顔を背けた。
この窓からは校庭で楽しそうにドッジボールをする少年達の姿、ブランコで秘密話をする少女達の姿、そして、大きな銀杏の木が一本静かに佇む姿がよく見える。学院を立ち上げる際に建築士と相談し、出来るだけ院長室から校庭を見渡せる様に設計してもらっていた。しかし、ガラス越しでは子供達とは触れ合えないと言う理由から、この部屋は急な来客が来ない限り殆ど使われる事無く放置されている。やはり、自分の目を通して子供達の遊ぶ姿を見ていたいのだろう。
ガラスに反射する部屋の蛍光灯を煩わしさに堪え兼ね、再び少年に目を向けた。少年は相変わらず視線だけで訴える。
「そうだな。読んじまったんなら、教えてやるか。それと、この事はなるべく口外するなよ。或いは、言っても良いが、後悔するのはお前自身だ」
「分かったか」と浅葱は再度確認を取ると、少年は困惑する様に暫く視線を泳がせた後、静かにゆっくりと頷いた。その曇りなき眼に応えるべく、浅葱は再び口を開く。
「まず、この手紙を書いた人物について話す」
「送り主って事っすか?」
「あぁ。お前は既に手紙の大部分を読んだから分かると思うが、文章の至る所にマーカーか何かで黒く塗り潰されている所があったと思う」
少年は今し方便箋の内容を思い出す。柔らかな色合いの便箋に認められた綺麗な筆跡の中には、明らかにインクの種類が違う黒い線が引かれていた。その殆どが文章の書き出しに集中しており、何かを隠滅する様に塗り潰されている。あまりに不自然だった為、少年も首を傾げていた。
「恐らく、黒く塗られていた所は全て人の名前が記載されていたんだと思う」
「名前……多分ですけど、宛先の人って用心深かったり、とか?」
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十二月三十一日(プロフ) - ドットコムさん» 二人がどの様な話をしているかはご想像にお任せします。いつか右京さんが少しでも救われる日が来る事を願っております。此方こそ有難う御座いました。 (2020年6月12日 1時) (
レス) id: b1d15496af (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - ドットコムさん» お久しぶりです。本作をご覧頂きまして有難う御座います。あれから二年、斎槻も居なくなって二年、結構な月日が経ちましたね。今回も懲りずに名前をお借り致しました。話題にあげたかったのですが、どうするか悩んで結局曖昧な感じにしてしまいました。 (2020年6月12日 1時) (レス) id: b1d15496af (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - 松宮カナメさん» 同年で且つ組織内最年長だったのもあってあげさせて頂きました。何とか浅葱さんの結婚について突っ込ませたかったので、懲りずに名前をお借りしました。此方こそ、有難う御座いました。 (2020年6月12日 1時) (レス) id: b1d15496af (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - 松宮カナメさん» お久しぶりです。本作をご覧頂きまして有難う御座います。あれから二年も経つのですね。書いている最中も干渉に浸っておりました。名前の順については一応レブル縛り、リロードにいる事を前提にあげてますが、何となくミルクさんの次は浅葱さん辺りだろうなと。 (2020年6月12日 0時) (レス) id: b1d15496af (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - お久しぶりです。淋の親です。更新内容拝見しました。うるうるきてます。いつもありがとうございます。 (2020年6月11日 21時) (レス) id: 3561a5869c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十二月三十一日 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年7月12日 2時
