◆小話:必然的要因の日常随想録 I ページ2
・何かと距離が近い宙岡さんと面倒事は避けたい斎槻と愉快な仲間達が織り成す小話。
・ほのぼの系で緩いギャグ。
・口直しにどうぞ。
***
宙岡さんがいつも「あれー、偶然ですね!」なんて陽気に言うので、「ずっとそこで待っていた癖にか」と工夫を凝らして返してみたら、「バレましたか」とへらっと悪怯れた様子も無く彼女は答えた。
何故か首元が寒くなった気がしたので、次からは何も言うまいと決意した。
*
一郷さんの店で鉢合わせた宙岡さんと相席した。彼女と居ると静かで楽だと思う反面、周りの目線が煩いのが困り者だ。
現に一郷さんは「はぁ〜、眼福眼福。あの席だけで金が取れるわ」と携帯片手に連写していた。と同時に僕は席を立って、宙岡さんに無言で一万円札を渡した。
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「斎槻さん、その服装良い加減暑くないですか?」と言う宙岡さんの服装も暑そうだったので、「君だけには言われたくない」と返した翌日、実に涼しげでズボラな服装をした宙岡さんを目撃する羽目になった。
宙岡さん。実は僕、昨日衣替えしたばかりだったんだよ。
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6月と言えばジェーンブライド等とテレビが宣っていたが、宙岡さんは「斎槻さんは花嫁さんを待つお婿さんじゃなくて、バージンロードを一緒に歩くお父さんっぽいです」と言い残し、愉快そうに走って逃げた行った。誰がオッサンだ。
因みに宙岡さんが逃げた先はロストさんだった。彼女もまた、僕の事を「翠さんって、なんか父親っぽい」と言っていた。
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所構わず抱き着く一郷さんに嫌気が差してきたので、良い加減にしろと叱った所にタイミング良く宙岡さんが現れ、「ハグってストレス軽減に良いらしいですよ」と余計な知識を吹き込んできた。
お陰でさっきから一郷さんが抱き着いて離れない。身体をベタベタ触られた上、ストレスが最高速で溜まっていく一方だ。
*
食堂で宙岡さんと他愛の無い会話をしながら折り紙をしていた昼下がり、突然現れた首領さんが僕の腕を掴んで来た。その様子に少し慌てた様子で「あ! ダメですよ、ミルクさん!」と反対の腕を掴む。
面倒な事になったと茫然と考えていると、「私も恒乃と仲良くしたい……」と言う呟きが聞こえたので、二人を一旦落ち着かせて、首領さんに折り紙を勧めてみた。嬉しそうにしている首領さんを見て、宙岡さんも不貞腐れるのを止め、作業を再開する。
それと首領さん、今折ってるの鶴じゃない。鷺だ。
***
また書けたら、追加する予定です。
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十二月三十一日(プロフ) - ドットコムさん» 二人がどの様な話をしているかはご想像にお任せします。いつか右京さんが少しでも救われる日が来る事を願っております。此方こそ有難う御座いました。 (2020年6月12日 1時) (レス) id: b1d15496af (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - ドットコムさん» お久しぶりです。本作をご覧頂きまして有難う御座います。あれから二年、斎槻も居なくなって二年、結構な月日が経ちましたね。今回も懲りずに名前をお借り致しました。話題にあげたかったのですが、どうするか悩んで結局曖昧な感じにしてしまいました。 (2020年6月12日 1時) (レス) id: b1d15496af (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - 松宮カナメさん» 同年で且つ組織内最年長だったのもあってあげさせて頂きました。何とか浅葱さんの結婚について突っ込ませたかったので、懲りずに名前をお借りしました。此方こそ、有難う御座いました。 (2020年6月12日 1時) (レス) id: b1d15496af (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - 松宮カナメさん» お久しぶりです。本作をご覧頂きまして有難う御座います。あれから二年も経つのですね。書いている最中も干渉に浸っておりました。名前の順については一応レブル縛り、リロードにいる事を前提にあげてますが、何となくミルクさんの次は浅葱さん辺りだろうなと。 (2020年6月12日 0時) (レス) id: b1d15496af (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - お久しぶりです。淋の親です。更新内容拝見しました。うるうるきてます。いつもありがとうございます。 (2020年6月11日 21時) (レス) id: 3561a5869c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十二月三十一日 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年7月12日 2時