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肆拾漆話 ページ32

ー伊黒視点ー

刀を構え、呼吸を繰り出す。

ー蛇の呼吸伍の型、蜿蜿長蛇ー

ー恋の呼吸弍の型、懊悩巡る恋ー

「クッ、マタ邪魔者ガ入ッタ!!セッカクノ遊ビノ時間ナノニ!!」

「邪魔者ハ消セバイイダケヨ!」

ー血鬼術、呪縛・乱絡みー

どこからか鎖が現れる。

だがそれも一本のみではない。

何十、何百とある。

それらを避け、鬼の近くまで行く。

「クウッ!!乱絡ミモ避ケルナンテ!!!」

「ドイツモコイツモシツコイ奴ラ!!死ンデシマエ!!」

ー血鬼術、惡念牙ー

鬼の爪の攻撃が来た。

 ガキィン!!

刀で弾き、もう一度型を繰り出す。

ー蛇の呼吸参の型、塒締めー

男子鬼の頸を狙い、攻撃をする。

「グゥゥゥ!!!シツコイナ!!死ネ!!」

ー血鬼術、呪怨・漆黒の恨みー

黒い霧が漂う。

それもお構いなしに鬼の頸に刃を当てる。

 ザン!!!

鬼の頸が飛び、地面に転がった。

「アアアアアアア!!斬ラレタ!許サナイ!貴様モ道連レダ!!」

ー血鬼術___ー

鬼が血鬼術を繰り出そうとしたが、いきなり鬼の動きが止まった。

「キャアアアアア!!酷イ!酷イワ!!ウワアアアアン!!!」

甘露寺「伊黒さん!」

伊黒「!甘露寺がやってくれたのか…」

甘露寺「ええ、早く先に行きましょう!」

俺は頷き、足を動かそうとしたその時

「__________ねェ、お兄さん…」

後ろから男子鬼に呼び止められた。

伊黒「…!」

振り返ったらあの時(・・・)、助けられなかったAの弟の顔があった。

「お兄さんって…あの時の…お姉ちゃんを助けた…人…?」

伊黒「………貴様らの姉がAならばな。」

すると次は女子鬼がこう言った。

「お姉ちゃん…私達が殺しちゃったんだね…」

「お姉ちゃん、許してくれないよね…」

「ねぇお兄さん、またお姉ちゃんの弟になれるかな…?」

「お姉ちゃんの妹になれるかな…?」

伊黒「…」

俺はしばらく黙り、二人に告げた。

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作者名: | 作成日時:2020年10月25日 10時

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