人間不信を打ち破った少女 (ページ27)

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肆拾弍話ページ27

ーA視点ー

あれから私は回復し、蛇柱である伊黒小芭内の継子となった。

師範の呼吸は蛇。水の呼吸から出来ていると聞いた。

水の呼吸も蛇の呼吸も教えられたが、どちらも私には合わなかった。

『…………私には、剣技の才がないのですか…？』

伊黒「…いきなりどうした。」

『いつまで経っても呼吸は使えない…師範が教えてくださった事を毎日続けているのに何も伸びしろがない…』

伊黒「…………水の呼吸はあと少しの所、蛇の呼吸は使えなくとも、水が使えればそれでいい。修行を積み重ねなければ使えるようにはなれない。それでももし、使いこなせなければ自分の呼吸を作り出してみろ。俺だってそうだ。」

『自分の、呼吸…？』

伊黒「ああ。だがその事に関しては俺は何もしない。自分でやれ。」

『…』

伊黒「そう深くは考える事ではない。ゆっくりでいい。自分に合ったやり方を見つけろ。」

ー
ーー

そう言われ、私は自分で呼吸を作り出す事にした。

作り出した呼吸の名は"妖(あやかし)"。

そして月日は経ち、師範の屋敷に来て五年。

私は十五歳になった。

師範に呼び出され、私は師範の部屋に行った。

そして言われたのは

伊黒「最終選別に行く事を許可する。」

『…え…？』

伊黒「行くか行かないかはお前次第だ。俺は許可を出しただけ、行けとは言っていない。」

伊黒「A、お前はどうしたい？」

私は俯き、すぐに師範の顔を見て口を開いた。