参拾話 ページ15
ーA視点ー
『………………………………え…?』
私は頭が真っ白になった。
父親には会った事がない。
だからどんな人なのか分からない。
でも、家族を殺すなんて普通考えるの?
それが怖くなった。
母さんと兄さんのお陰でやっと人間らしくなったのに…
龍之介「………聞いてしまったんだ。"Aは呪われた子供だ。このままじゃ村が危ない。"…」
『…』
私が、呪われているから?
呪われているから母さんは死んだ?
呪われていなかったら母さんは死ななかった?
『…私、が…』
『私が………呪われているから母さんは、死んだ…?』
龍之介「っそんな訳ない!!」
兄さんが叫んだ。
龍之介「Aは呪われてなんかいない!Aは普通の子供だ!
??「ねぇお兄様、さっきからうるさいんだけどぉ…」
龍之介「…!!………杏香…」
兄さんと同じ方を見ると、母さんによく似た顔の若い女性が立っていた。
杏香「………はぁ…お兄様ったら、まぁたこいつと関わってたのぉ?」
龍之介「何をしようが俺の自由だろ。お前こそ何しに来た。」
杏香「ん〜?うるさかったからなんだろうと思ってぇ…」
私は酷く驚いた。
母さんとそっくりなのに性格が全く違う。
すると杏香はこっちを見て、金色の瞳で私をじっとりと見つめた。
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作者名:靉 | 作成日時:2020年10月25日 10時