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ある事件が起きたのは年末の忙しい時期のことだった。
12月になってから、立て続けに音楽番組の収録や生放送が入っておりメンバーみんなどこか疲れ気味だった。



そんな状況で迷惑をかけまいと私はより一層仕事に励んでいた。




そして新しく入ったメイクさんとも中々ウマが合わず、、それでも時間は進み続ける。



「五十嵐さん!今日の衣装、打ち合わせと違うんだけど」


「えっ、」



坂下さんにそう言われ、思い返してみると昨日衣装の打ち合わせに参加したのは私一人だった。
別日の書類と間違えて持っていったみたいだった。




「とりあえず、まだ時間あるから私取りに行ってくるから、メンバーのメイク先にやってもらって」


「すみませんでした!」



坂下さんに頭を下げながら、自分の不甲斐なさを呪った。こんな初歩的なミスをしてしまうなんて。きちんと確認していれば起こらなかったミスだった。




「五十嵐さんしっかりしてくださいよ〜。こっちにだって準備とか色々あるんですから、メンバーと仲いいからって弛んでるんじゃないですかあ?」



メイクさんにもイヤミを言われ、それでも返す言葉も見つからなかった。すべてその通りだったから。



「もうやめればいいのに、坂下さんもいい迷惑ですよ、いなかった方が、キャッ!」




頭を下げ謝っていた時に、なぜか言葉が途切れ顔を上げると玲於くんが立っていた。



「お前、言い過ぎ。Aだって人間なんだからミスするに決まってんだろ。」


「それは...」


「それにあんただって、昨日言われたセットと違うセットにして怒られてたじゃん。人のこと言うなら自分のことできるようになってから言えよ」



玲於くんが早口でそう捲し立てると、メイクさんは気まずそうな顔で部屋を出ていった。





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作者名:めいこ | 作成日時:2018年12月14日 22時

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