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フロアに出て少しすると本当に今市君は来たようだった。...参ったな。




マイコさん、指名です。
ボーイにそう言われ仕方なく彼とその友達が座るテーブルへと後輩のユイちゃんと共に向かった。




今日はこれから指名が何件か入っているのに、今から既に気疲れしてしまいそうだ。




テーブルに着くと今市君の隣に私、そしてその友達の隣にユイちゃんを座らせた。
こういう場所に来たことのなさそうな二人はソワソワと辺りを見渡している。




「今日は来てくれてありがとうございます」


「初めて来たわこういうとこ。べっぴんさんばっかやな!」


「お客さんみたいなかっこいい人滅多にこないから嬉しいです〜」



ユイちゃんがそう言うとお隣の健二郎さんというその人は嬉しそうに笑っていた。一方、今市君はというと一言も話さず黙りこくっている。
彼は一体何しに来たんだろうか。





「毎日バイトしてるの?」


「え、?そうだよ。ほぼ毎日」


「ちゃんと寝てるの?大学もあるのに」


「大丈夫だよ。今市くんには関係ないでしょ」


突然話し出したかと思ったらそんなことばかり。



「さっきから聞いとったらなんやねんその言い方。ちょっとは隆二の思いも考えてやってや」


「...なんなんですか?急に来たくせに。何も知らないくせに。今すぐ帰ってよ!!」




思わずかっとなって近くにあったグラスを地面に叩き落とした。
みんなして私を責めるんだ。私が悪いっていうの?私が何したっていうの。




迷惑かけてないんだから、放っておいてよ。
これ以上、私に構わないで。




今市君の顔を見ると、酷く驚いたような悲しそうな顔をしていた。何であなたがそんな顔するのよ。





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作者名:めいこ | 作成日時:2018年12月14日 22時

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