Add spice！ (ページ15)

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「でもさー、俺らもあと一年で卒業だしさ、あっという間だな。Aとももう10年以上の付き合いになるし。」

「何、急に」

改まっちゃって。私がそう言うと、岩田はたまには真面目に行った方がいいかなと思ってって笑いながら言った。

なんじゃそりゃ。

「あっちいなあ」

「うん、暑いね」

それもそのはず外も同然のこの建物。おまけに日差しがガンガン当たってジリジリと肌を焼く。

ジーンズに白Tという女っ気の欠片もない格好だけど、大体うちのサークルの女の子はこんな感じ。

岩田もジーンズに黒Tでなんだかペアルックみたい。だけど私たちは今更そんなの気になんないし。

そのつまり、何が言いたいかというと、私たちの間に流れてるこの奇妙な空気もきっと気の所為っていうか、噂に流されてるだけっていうか...

「A。」

「な、なによ」

岩田は私の腕を掴んで真剣な顔でこっちを向いた。岩田が私の方を見ていることは分かっていたけれど、照れくさくて顔を正面から動かすことが出来なかった。

「暑いから、離してよ」

「こっち見て」

「いい加減にしないと怒るよ？」

「見ろって」

ぐいっと腕を引っ張られ、岩田の方に身体ごと強く倒れそうになった。

私が目を見開いて岩田の顔を見ると綺麗な瞳と目が合って、太陽の光に照らされて茶色くひかり、綺麗だったのをよく覚えている。

「今日ここに連れてきたの、冗談半分とか検証とかじゃないから。ずっと機会伺ってたけどタイミング掴めなくて、結局こんなに時間が過ぎてしまって」

「...」

「つまり、ずっと、Aのことが好きだった」

「...」

あまりの衝撃に言葉が出てこなかった。
岩田はなんか言えよって笑って言った。

「...だから、俺と付き合ってください」

岩田は私の手を包み込むようにギュッと握った。

私達、さっきのさっきまで友達として幼馴染として上手くやれてたじゃない。

なのに、答えはイエスしか浮かばなかった。

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