. Best Pals 06 (ページ16)

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ジョンイニオッパとは違う踊り、違う表現

見えない相手に想い募らせるように、

私はたったひとり、スポットライトを浴びた。

さぁ、次は彼の番だ。

「セフニオッパ、」

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Sehun side

光に照らされたAの方を見た瞬間、俺の中で何かが溢れた。

いつも通り、踊る自分。

少し離れたその先で俺だけを見つめて踊るAへの想いに狂いそうになっている自分。

Aが、悲しいくらいに好きだ。
君の全てが欲しいと、気持ちが溢れて止まらない。

水で捲れ上がったシャツとキャミソールから彼女の綺麗な背中と綺麗に割れてる腹筋が見える。

ああ、なんて美しいんだろう。

その彼女の姿に湧き上がるファン達。

水を蹴り上げる脚にいつも以上に力が入る。
リハーサルや普段は寒いと感じるのに、君への想いが溢れてる所為か、今は全く感じない。

君という存在は、気持ちを高ぶらせるのには十分過ぎる。この気持ちはもう止められないんだ。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

セフニオッパがソロをしてる間、私は移動して、

そしてまた私に妖しげな色をしたライトが照り、ステージが数センチ下がれば水が引かれ始め、水を踏みつければ水飛沫が上がるのを見てそれが合図かのように湧くファン。

少し離れたセフニオッパと向き合い、彼の目がしっかりと私を捉えた。

“ A... ”

よく見るとセフニオッパの口がそう動いていた。

水に寝る前にセフニオッパに少しの笑顔を見せる。

耳に水が入るなんて気にすることなんて出来ないほど、曲に入りきっていた。

悲しくて、寂しい、

白のシャツ、黒のスキニーパンツが肌に纏わりつく。

動きにくい、鬱陶しい。

本能のままに、水を蹴る。水を掻く。

少し肌蹴たシャツも、キャミソールも、

見えてしまってるであろう腹部、背中も、気にしなかった。

その見えない相手に想いを募らせ、悲しい、寂しいという気持ちで踊り狂う。

Cry Cry Cry...

長い前髪に滴る水さえも鬱陶しくてその前髪を掻きあげる。

客席を見ると、泣いてるファンも居た。

“ 泣かないで ”

そうファンに呟けば、さらに泣いてしまうファン

その姿に少し笑ってしまった。

不意に聞こえた「かっこいい...」という声

ありがとう、

でもジョンイニオッパのBaby Don't Cryにはきっと叶わないでしょ？

私はあくまで“ 代役 ”なんだよ。

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