エピ61 ページ27
Aside
秋さん!!秋さん!!
姿が見えない。
一体、どこに行ったの?
まさか、本当にワイトに……
____バシュン!!
聞こえてきたのは、風を切る音と、砂の音。
A「だ、誰……。」
私が5年間、ついこの間まで暮らしていた公園だった。
私、夢中で走ってたら、こんな所まで……。
秋「A……ちゃん……?」
A「あきさん!!」
私は、安心した余り秋さんに抱きつく。
涙は必死で堪えた。
A「私……秋さんが、秋さんが、
全然帰ってこないから、寮にも居なくて、
すごく心配で……」
秋「ええ……」
その声は、嬉しそうではなかった。
顔を上げる。
真剣そうな目で、
ボロボロの彼を見つめる秋さん。
バシュン!!
それは、猛スピードのタイヤを止める音だった。
A「円堂……さん?」
オレンジ色の太いゴムには、泥が付いている。
右肩から腕にかけては、包帯……
A「包帯?!」
包帯をしているということは、
包帯をする必要があったということ。
A「秋さん、まさか円堂さんは」
秋「そう。怪我してるの。
それもかなりの重傷……
休まないと怪我が悪化するのに。
円堂くん…………もう二時間も特訓してるの」
バシュン!!
秋「……休憩も取らないし、水も飲まない。
おにぎりも作ってみたけど、目にも留めてくれないわ」
もう破れ始めているグローブ。
虚ろな瞳。
昨日見た練習での生き生きさは微塵も感じられなかった。
ただタイヤを受け止めるだけ。
その苦痛の作業が延々と続く。
A「こんなの……
私の知ってるサッカーじゃない」
自然と足が動いた。
秋「あっ、ちょっと、Aちゃん?!」
秋さんが止めようとするけど、気にしない。
何も考えずに傷を悪化させていく馬鹿キャプテンに、私は
平手打ちした
パチン!!!
円堂「……」
軽く頰を押さえる円堂さん。
本当は、下の者が上の者に暴力するなんて許されない。
でも私は、手下である前に、
マネージャーである前に、
サッカー自身。
A「…………いい加減にしてください」
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裏/エ/リ/ン - うーん……話がどんどんシリアスになっていく!!このままじゃ雷門のみんなとラブラブできない← (2015年9月9日 23時) (レス) id: bebab169e4 (このIDを非表示/違反報告)
裏/エ/リ/ン - 二巻いきました!今後もよろしくお願いします!^o^ (2015年8月30日 19時) (レス) id: bebab169e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:裏/エ/リ/ン | 作成日時:2015年8月30日 18時