夢でもいいからイナイレのみんなにモテたい！

エピ9 ページ11

風丸side

隣で、Aが歩いている。



ただ寮までの移動なのに、ずっとこうしていたかった。



玄関の呼び鈴を鳴らした。


古い感じの寮だが、設備はいい。

中も広い。



マネージャーの音無が出てきた。


音無「はい〜。あっ、風丸さん！

朝からランニングなんて、
張り切ってますね」



風丸「それが……ランニングじゃなくて、

人を連れてきたんだ」



音無の目は、文字通り点になっている。


うーん……どう誤魔化すか。


風丸「実は、俺の昔の友達で。

両親が交通事故で亡くなって、

俺の家でも預かれない状態なんだ。


しばらく……部屋を貸してやってくれないか」


案の定、「監督に聞かなければ……」という冷静な回答。


ごもっともです(^^;)


と、俺の横からAが出てきた。


A「あっ、あの、」


音無「え？」


Aは、黒いコートのフードを取った。


音無がさらに目が点になる。


A「なっ、何でもします！

料理も洗濯も、掃除だってできます！

マネージャーとして雇ってください！

こき使われても文句は言いません！


どうか、どうかお願いしますっ！！」


Aが頭を下げた。

癖のない髪がサラッと揺れる。


音無「……綺麗……」


A「え……？」


音無「わかりました。

監督には私がなんとか話を付けて伝えておきます。

風丸さんはこの子を連れて、皆に相談してみてください。

あとはメンバーの人の意見を聞かないといけませんから。あっ、もちろん私は大賛成ですよ！」


風丸「ああ、ありがとう、音無。」


A「ありがとうございますっ！！！」


音無「〜〜♪(可愛い〜〜)」


音無はスキップしながら戻っていった。

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