【オリジナル】EREMENT６ (ページ37)

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第２３０話　どっちページ37

クロウ「…怖いな…ったく…
お前、物騒だぞ？」

あ「…仲間同士でやりあうなっていうことさ」

歓迎会みたいなのは日が落ちて時間ととも解散となった
今日だけは馬車ではなく、みんなが集まる広場に雑魚寝となった
参加していた町の人にもお酒の酔いが回り
時雨はお酒を飲みグースカと寝ている
あんた１７歳じゃねぇの…？

私とクロウは先ほどのことで
広場の外に出て、馬車の中で話している
季節はもうすぐ春となりつつある…
前までこたつを出していたがつい先日にしまったばかりだ

クロウ「これからどうするんだ？
上に出る方法はいくらでもある
なんなら、もう使い道がない船でも動かすか？」

あ「眠っているシルトがいるんだよ？
下手に動かせないでしょ」

クロウ「そうか…時雨にだけあいつが見えるんだよな…
俺はてっきりお前にも見えるのかと思っていた」

あ「…見えてたよ」

クロウ「はぁ！？」

あ「神様と死人は似た世界の住人
見えないはずがないんだよ
いつまでしがらみに縛られてるんだか…」

クロウ「聞くけどさ…
お前本当はどっちになりたい」

あ「…は…？」

クロウ「落された神様が人になって
それでも、お前は神様に戻りたいのか
人間としてこれからを過ごすのか…
お前はどっちだ！」

あ「…わ…たしは…」

“神様”に戻りたい…？
いや違うんだ…何かが
確かに過ちをおかしたから落されて人間として生まれ変わった
だけど、神様の力が自分で制御で来ている今…
それは人間が持ってていい力じゃない
でも、意味なくこの力が目覚めたりしないんだ…
それはあの本にも書いてあった

クロウ「…どうなんだよ
俺だって人が持ってていい力を持ってるけど
俺は…人間として生きていたいと思ってる」

あ「…天界で見た本がある
神様の力と書かれた不思議な本だった」

クロウ「なんでまた…」

あ「それに書いてあった
私みたいに神様から人間として生まれ変わる自体は珍しいことじゃない」

クロウ「はぁ！？」

あ「生まれ変わった後は神様の時の記憶は消されて
一人の人間として生を迎える
でも、稀に記憶が蘇るときがある」

クロウ「それで力が…？」

あ「そうじゃなかったんだよ
蘇っても、力までは使えなかった
でも今の私には……」

実際に神様の力…ミルカーナの力を使ったため
髪の色は正反対になり、目の色は金色だ

クロウ「…それがお前が神様の時だった頃の…」

あ「こうして今使えてる…そんなことはありえない」