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第227話 テートの最後 ページ34

テートは消えかかるような声になり、機械音もはっきり聞こえるようになってきた
これはもう寿命なのだろうか…?
テートは足から崩れて動きが鈍くなってきた



あ「どっどうしよう」


呉羽「退いてください 見てみます…」


クロウ「…呉羽 そのままでいい」


呉羽「! でも…」


時雨「そいつ最後に別れ的なこと言ってたろ…
その人のもとに行けるかどうかなんてわからない
だが…無理に延命してもそいつには辛いことなのかもしれないからな」


呉羽「…」


テート「…あり…がとう…
私は…このままで…いい…で…
機械…で…あの方…が心という…を…
教えてくれ…ま…た…
心を…持った…う…で…うれ…しかっ…た…です…」


あ「テートさん…」


テート「……」




テートはそれきり、しゃべらなくなってしまった
代わりとして作られた身とはいえ、彼女に生み出された物でもある
彼女に感謝して慕っていた
テートは彼女に会えたのだろうか…
それは私はわからない




琥珀「…見てみて!」


呉羽「空に穴が開いてます…?」


時雨「そういや、シルトが言ってたな
空に昇ったら地上の世界に出たと…」


クロウ「…そうか ここは地下の世界なのか
落ちて来たんだしな…」


あ「じゃあ帰ろう!」


「あんたら! テートさんは?」


あ「え…あ…」


時雨「彼女なら…あそこだ」


「…テートさん…」


あ「…いいの? 時雨…」


時雨「いつまでも隠していられないだろ…」


「…俺ら知ってたんです
彼女が…機械で…
テートさん自身はもういないと…」


時雨「は…?」


「彼女は50年前に亡くなってるんですから…」


あ「それを知ってて…?」


「ああ、街の皆で彼女の予言に従っていた
あれが代わりの機械だということも
…テートさん…彼に会いたがっていた」


時雨「あの人…?
ん…? ちょっとまて
50年前ってそんな前じゃないはずだ
おばあちゃんになって生きてる可能性だって…」


「この街の人はみんな短命だ
50年前の人はもうみんな死んでしまってるんだ
せいぜい20年30年が限界だ」


時雨「嘘だろ…」


「だから、テートさんが会いたがっていた彼も
今頃はどこかで…」


呉羽「待って下さい あなたがなぜ50年前を知ってるんですか?」


「親から聞いた話さ」


あ「テートさんが会いたがってた人…?」


「確か…シルトと言ったかな…」


時雨「お前…なんで言わなかったんだよ!」


呉羽「時雨? どこに話しかけて…」

第228話 語り継がれる話→←第226話 災いは去った



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作者名:アクサモ(音羽) | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2016年1月10日 1時

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