第219話 近と遠 ページ26
クロウ「ああ」
あ「おかしい? なんで」
時雨「部屋の中は新しいのに荒れた形跡もなければ、新品だ」
クロウ「あと少し湿ってるところもおかしくないか?
この膜がもとからある物だとしたら
湿ってるはずがないんだよ」
あ「湿気とかじゃなくて?」
時雨「ここはそんなに湿気はたまるようなところじゃない
その線はないな」
あ「…どういうこと?」
時雨「まっ、細かいことは気にするな
探索しよう」
クロウ「船長室にでも行ってみるか
お前らはどうするんだ?」
あ「底のほうを見てくるよ」
時雨「じゃあ、俺は部屋の中でも見てみる」
クロウ「なんかあったら知らせろよ」
こうして船内をくまなくいろいろと探した
変わったところがないかとか
もしかしたら、エレメントがあるかもとか
思いながら探していた
私は底を見てみた
やはりどこか新しく感じる…
それにほんのわずかだけど魔力を感じる
あ「…!」
底に引っかかる何かを見つけて手を伸ばす…
が、バランスを崩しさらに底へと落下してしまった
あ「いったぁ…
しかもとれた…ってエレメントだ!
近…あぁ近くのもの操れるやつだ
でも、物限定で命ある者は動かすことも操ることもできない!
水も火も地面もね!
結構覚えてるもんだな…」
でも、もう一つ覚えていたことがある
この近は一つだけではなく、遠というエレメントと一緒にあるはずなんだ
この二つは双子のようなもので
どんなにバラバラにされても、二つは引き合うのだ
あ「だとすれば…?
あー! あった! 遠!」
やっぱりすぐ近くにあった!
でも、この船底にどうやって入り込んだんだろ…
あ「…待って…?
こんなところにやっぱり入り込むわけない…
だとすれば…人が持ってきた…?
人がここに来たとすればこの船底にエレメントを落とした…?
んー…こんなところに人が来るかな…」
・
時雨「なんかでかい音がしたな…
下からかぁ? Aが何かしたんだな…
何してんだか…っうぉ!?」
部屋を歩いていたら下にあったものを踏んで
滑って転んだ
尻が痛い…
時雨「くっそが…
にしても…この家具も壁も床も…
新品だ…一体どうなってるんだ…?」
何かめぼしいものはないかと
タンスや引き出しを開けると
ある本を見つけた
舟が空を飛んでいる絵が表紙になっている
タイトルはノアの箱舟と書かれていた
時雨「ノアの箱舟…?
しかも、この舟…
今俺らがいる舟じゃ……」
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