【オリジナル】EREMENT６ (ページ25)

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第２１８話　船を囲む膜ページ25

あ「海賊船…って海で暴れる荒くれ…
いわば山賊ともいえるかな」

時雨「ああ、山賊は知ってるんだな」

あ「アルファルの砂漠でその山賊から土のエレメントを
奪ったことがあってね」

時雨「…ん？あれはやっぱり膜だよな…」

琥珀「膜？何も見えないけど…」

あ「時雨が言うなら間違いはないかな
膜というのは…」

時雨「中に空気がありそうだ…
船を囲んでる
もしかしたら、あそこまで潜れば
膜の中に空気があるから後は移動できるかもな」

あ「よしそこまで行こうか」

クロウ「俺も行く
琥珀と呉羽はここに居ろよ」

時雨「三人だけでいいな
船もそんなに広くないだろうが……
船だけじゃないようだないるのは…」

湖の中には海賊船とそれを覆う膜のほかに
蠢く影の存在もあった
何かが、湖の中を泳いでいるようだ…

あ「…蠢いてるやつは船の中に入るまで
振り切るしかないわけ…か」

時雨「そういうわけだ
クロウ振り切るかやっつけるかしてくれよ」

クロウ「結局俺任せかよ…わかったよ…」

三人は一斉に湖の中へと入っていった
その様子を琥珀と呉羽が見送った

・

クロウ「…見えたな」

時雨「あれか…っと横からなんか飛んできた！」

あ「…なるほどね…
中にいたのは…ウミヘビ…」

クロウ「ウミヘビ？んな大したことないだろ」

時雨「いや、ウミヘビには麻痺や痺れを引き起こす
そしてあれはウミヘビの形をした何かだ」

あ「っていうか、ウミヘビって湖にいたの！？」

時雨「んなわけあるか！
だから言っただろウミヘビの形をした何かだ
急ぐぞ！」

水の中では思うように動けはしない
ウミヘビの形をした何かは襲い掛かってくるが避けたり
クロウが衝撃波を出して追い払ったりしてようやく膜の中へと入ることができた

あ「…！入れた…！」

時雨「っと…やっぱり空気があったか…
にしても…なんなんだこの膜…」

クロウ「わずかだが魔力が流れてる…
マトリアに貼られた壁を見たか？」

時雨「和国が張ったとみられる魔力の壁か」

クロウ「ああそれを応用してある
要するに魔力の壁より柔らかくしたのがこの膜だ」

時雨「柔らかく…じゃあ通常の魔力の壁より
使ってる魔力はごくわずか…」

クロウ「そう考えられるな」

あ「見て見て！ここに部屋がある」

部屋の中はまだ新しい状態で残っていた
どういうことだろうか
そして少し湿っている…

時雨「…おかしいな」