【オリジナル】EREMENT５ (ページ9)

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過去編　琥珀の過去～２～ページ9

お父さんは漁師の仕事として
今日は昼間から漁へと行くことに
天気もいいのでルゥにはお留守番
私は漁についていくことに

琥珀「いい天気！大量だね！」

父「そうだな！」

「光園寺さんここに網引きましょうか？
魚の反応ありますし」

父「そうだなやるか」

その帰りとなったとき
あの天気が一変してあらしとなってしまった

「うわぁ！」

琥珀「っとと…！お父さん！」

お父さん「こりゃやべぇな！
早くここをぬけるぞ！」

「だめだ！舵が効かねぇ」

琥珀「うっ…わっ…！！」

そのあまりにも軽すぎる体があらしによって飛ぶ
海へと落ちそうになった時、父がつかんでくれた

琥珀「お父さん…！」

父「危なかった…」

そして大きい音がすると父の体も揺れに耐えきれず
海へと投げ出されてしまい
私の体も父の体も海へと投げられた

琥珀「…っ！お父さん…！」

海の中で手を伸ばしても
海面のほうには手が届かずに上にはお父さんがいるのが
見えるにもかかわらず届かない

父「琥珀！っよし…！」

暗いせいか水の中のせいなのか
父の顔は全く見えずに延ばされた手をつかみ
水の中にもかかわらずすごい力で私を上へと投げた
海面に顔を出せた私は漁師の仲間に見つかって
無事に助け出された

私はもう一度海の中を見たら
父が目を閉じ、沈んでいくのが分かると
さすがの私も悟った

漁から戻ってきたらやっぱり騒動になっていた
ルゥに事情を話すと姉上のせいじゃないですよっと
泣いていたけど言ってくれたのが嬉しかった

お父さんを失い、親がいなくなった私たち二人を
お父さんの死を聞いて駆け付けたおばあちゃんが
私たち二人を引き取ることになり、同じマトリアの森の中
おばあちゃんは森の中の家に住んでいたから
でも、お金に困ることはなかった

おばあちゃんが魔法使いだったから
いろんな依頼を受けて、お金を得ていた

でも、ふと夜に目を覚ますとドアを見てしまう
もしかしたら、お父さんが帰ってくるんじゃないかと…
それはルゥも同じようで少し体を起こして私を見ていた

ルゥだってしっかりしていてもまだ小さいんだ
私が…しっかりしなければ…！