【オリジナル】EREMENT５ (ページ45)

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第１９０話　渡し舟のお婆さんページ45

？「なんじゃお主らは…」

時雨「ここがマトリアに渡る船がある所か？
向こう側に行きたいんだが」

？「ほう、船に乗りたいなどという客は久しぶりじゃ…
誰から聞いた？」

あ「明さんだよソーラティスの…」

？「あああいつか…
中々この森の奥まで来るやつはいないからね
この場所を知らない限りは…」

琥珀「…ねぇA この水変だよ」

あ「何が？ …本当だ色が変だ」

？「知らないでここに来たのかい…？
ここは、毒を含む海だよ」

呉羽「毒ですか…？」

時雨「なんでここだけ？」

？「さぁねボルグとマトリアの間には
なぜか毒を含む海が広がってるのさ
毒が出ているのはどうやら、この水の底からのようだ…」

時雨「水の底か…
確かに少し毒のせいで曇ってて見にくいが
やっぱり底にある亀裂から出てきてるな」

？「見えるのか…ラルク族か…」

時雨「よくわかったな…
別にラルク族は視力が特化してるわけじゃないぞ？」

？「お前さんみたいに女でも男のような素振り…
ラルク族は視力がいい者が多い
レイと似ておるわ」

あ「レイ…？」

時雨「！あんた…母さんを知ってるのか！？」

琥珀「お母さん！？」

？「ああ昔、迷い込んだ者がいてな
そいつが、あんたのお母さんのレイだったわけじゃ
お主と同じ、いい目を持った者でな」

時雨「…母さんはこのボルグにいたっていうのか…？」

？「ああ、わしはここにずっと居るからな…
そういう呪いなんじゃよ…」

あ「呪い…」

？「マレディ・クシオン…それがわしの名前だ…」

呉羽「マレディさん、この毒はいつから…？」

マレディ「もうずいぶん昔からだよ
…そういえば…」

呉羽「何か思い当たることでも…？」

マレディ「レイを助けた時からじゃったな…
最近、水がおかしいと思って
わざわざマトリアのほうから美凰(みおう)が
見てくれたおかげで、毒だってことが分かっただけじゃ…」

琥珀「美凰っておばあちゃんの名前だ！」

マレディ「じゃあ美凰の孫か
最近、その毒素が増してきてな…
ボルグとマトリアの海の中心は
毒が強くてな…今のこの渡し舟で
渡ることはできないんじゃ」

あ「え！じゃあマトリアには行けないの！？」

マレ「ああ、悪いな
この毒を何とかできればいい話じゃが…」

時雨「…おい行けないならやるしかないだろ」