雪男の紅一点は“呪術師”です！？【XVI】

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敵である俺たちを見据えながら動く気配が一切ないのは、もう戦意がないことくらい分かっているからか。
それとも、俺らの攻撃など警戒に値しないということなのか。

どちらにせよ確かに俺らはもう動けない。
精神的にも、物理的にも。





「(あぁ、すげぇなぁ、、、。
そんな素振りもなかったのに、いつの間に術式を使ったんだ、。)」





やっぱり、竜堂桜は天才なんだと思い知った。



一歩前に出ただけ。
俺の動作はただそれだけだった。

それなのに、その一瞬で俺らを見つけ、警告のために投げ、捕えた。





俺は初めて負けたんだ。
身長も、年齢も、経験も俺なんかよりも圧倒的に短い女の子に。


遠くから黒い自動車が向かってきた時、俺は逃げることは不可能なんだと悟った。





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その後はまぁ、色々あった。

取り敢えずサイトはもう削除されたし、マスターや使用者も炙り出された。



俺や先輩は人を殺したことがなかったから罰金と大学の謹慎処分くらいで済んだ。もっと重い刑の人もいたらしいが、そんなんは俺の知ったこっちゃない。





そしてそんな俺は今、、、










呪術高等専門学校 東京校の専属の呪具屋としてなんとかやっている。

武器やアクセサリーに頼まれた効果を付けたり、個人的にやってみたい効果を付けたり、っていう仕事。
使い古した武器を綺麗にクリーニングして返すっていうときもあるな。


まぁそれと、一応大学卒業した後にデザインとか金属の加工とかその他諸々を勉強して、完全オーダーメイドのアクセサリー職人としてもやってたりはする。
これに関してはマジで知る人ぞ知るってやつなんだけど、利用してくれてた人はほぼ必ずリピートしてくれるし、評判は良い。





ちなみに先輩もこっちの業界に居る。
あの人も俺と同じで人を手にかけたことはなかったらしい。だからそんな制約もなく、こっちに戻れたんだと。

まぁ俺と違って先輩はゴリゴリの武闘派。今は2級術師として日本各地に飛び回ってるらしい。
そろそろ準1級に届きそうだっていうことも言ってたし、あっちも充実してるそうだ。

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