雪男の紅一点は“呪術師”です！？【XVI】

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だって口は悪いし、タバコ臭いし、ドクロのアクセサリーがジャラジャラだし、舌打ちの音とかめっちゃ聞こえるし、、、マジでこっっっっっわ、





「(マジでAの奴、次会ったらボコボコにしてやるｯ)」





センパイの前で俺は仲介してくれた友を心から憎んだ。
でもそんな俺に気がつく様子もなくセンパイはスマホを取り出して俺に言った。





先輩「割のいいバイト探してんだろ？
ホラこのサイト紹介してやるよ。」


「あ、あざっす、」





この人の言う “割のいいバイト” は、簡単に言えば “呪術師の真似事” だった。





先輩「このサイトは完全招待制の知る人ぞ知る会員制のサイトでな。
週末、このサイトの創設者—— みんな “マスター” つってんだ。マスターが依頼を出す。そして利用者である俺たちはマスターが出した依頼の中から好きなやつを選んで提出すんだ。30分くらいしたら向こう側が “承認しました” みたいなマーク送ってくれるから、それが来たら晴れてこのサイトの利用者だ。」





話の長いセンパイの話を要約すると、このサイトの利用者は “呪術師になれなかった人” だそうだ。
呪術師に憧れていたりギリギリ才能があったりして、でも “本物” にはなれなくて。受かる気もしないけどどうしても諦めきれない。そんな人たちが集まっているらしい。

まぁ確かに、国家資格の合格率とか意味わかんないくらい低いもんな。
そもそも呪術師は “術式” や “一般人よりも多い呪力” が必要不可欠、らしい。そこまで条件絞るとそんくらいの合格率でも納得だけど。


で、このサイトの利用者はいわゆる “闇術師” と呼ばれてたり呼ばれてなかったり、、、。





「(闇医者的な、、、)」





そう思ったのはたぶん俺だけじゃないと思う。
そしてセンパイは俺が聞いていないのにも気が付かず、夢中で話が進んでいく。





先輩「これのいいところはな、新人でも制限がねぇから自信さえありゃ最初っからドデカい依頼もこなせるわけよ。
死ぬかどうかは自己責任だけどな。ま、これの利用者は驕り高括ってる奴も多いが自ら死にに行く奴はいねぇ。危険度も書いてあるしよ。」


「・・・・・でも、大変なやつの方が支払い良いっすね。」


「そりゃな。自ら突っ込んでるとは言え、命の危険のあるバイトなんだぜ？逆にこれくらい出ないとやる気なんざ出ねぇよ。」





うぅ〜ん、確かにそれもそうだ。

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