雪男の紅一点は“呪術師”です！？【XVI】

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そこそこの大学に受かって、一人暮らしを始めてからが俺の本番だと、俺は自分に言い聞かせてた。





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そして無事大学生になった俺は念願の呪術師に、、、なれるわけがなかった。



まず、予想以上に大学と一人暮らしでの生活は忙しかった。
授業を受け、レポートを書き、光熱費・食事代のためにバイトに勤しみ、一通りの家事をし、徹夜で課題を終わらせて、仮眠をとったらまた大学へ向かう... これの繰り返しだった。


そして次に、呪術師になるには資格が必要だった。
内容は筆記試験と実技試験。
筆記はまだいいとして、実技の内容を調べてみれば人間が出来るわけがないほどの内容が山ほど出てくる。
いや、何か武術を習っている奴ならまだいけないことはないのかもしれない。しかし俺は何もやったことのない実践ド素人。
こんな試験の内容、出来るわけがない。出来たところで何十年後の話だ。下手したら一生かかっても無理かもしれない。

・・・・・こんなん受かるわけがない。






と、早々に目標を投げた俺の次なる目標はズバリ「割のいいバイトを見つける」ことに早変わりした。

今のバイトが楽しくないわけではない。
得手不得手の点で言ったら得手、、、比較的得意な方だと思っている。

ただ1つ文句があるとするならば「拘束時間の割に時給が安い」ということ。
・・・・・光熱費に食費、家賃もある程度は自分で払ってる。親からの仕送りは少量。つまり今の俺は娯楽にかまけられるほどの経済力はないってことだ。





「・・・・・割のいいバイト、」


A「何？お前バイト探してんの？」


「おう。今のバイト、拘束時間の割にはちょいと安いんだよな。」


A「ふぅん。ま、そんなとこなら俺も先輩に掛け合ったりして探してやるよ。
今度メシ奢れよ。」


「そっちがいいバイト探してきてくれたら奢ったるよ。」





学部が同じで社交的なAが自ら協力してくれることになり、俺はAを見直した。

そんな事もあり、俺の新しいバイト先は思いの外早く見つかることとなった。





〜〜〜〜〜〜




「・・・・・ちょっと言ってる意味が分かんないっす。」


先輩「だからね？君は自身に才能があることは自覚済みなんだよな？」


「え〜、。あ、まぁハイ。術式は持ってる、らしい、？」





Aのサークルの先輩らしいこの人は、見た目からしてもうヤバい人なことがわかる。

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