星が散った夜。 (ページ27)

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ポルックスページ27

No side

『ｯ～～！？』

星「桜！一旦下がって！！！」

呪霊との戦い。
それは、あまりにも一方的な蹂躙だった。

桜はボロボロ。星も、目立った外傷こそないものの呪力はそろそろ底を尽きる。

そりゃそうだろう。

呪霊はせいぜい2級程度。
だが桜は最近術式を自覚した4級。星も前線で戦えるほど強くはなく、甘く見積もって3級だ。

しかも2人はまだ10歳でもない子供。体力も、普通よりはあるだろうがもうすでにふらふらである。

星「桜、、、無理しないでよ、。
元は僕が悪いんだからさ、僕が戦えばいいんだ。」

『そしたら星は死んじゃうでしょ、？一緒がいいの』

桜はなんとなく感じていた。
自分たちが、ここまで持っていることがおかしいことを。

『(星の結界と治す力のおかげで出来てるけど、おかしい気がする。普通こんなにできるのかな、？)ｯ！やっ、“刃”！』

呪力の糸を出せたのならと最近特訓して身につけた新技“刃”だが、
それでも呪霊にかすり傷を負わせるのみ。ダメージとして積もっていく様子もない。

辛うじて保っているのは、敵の動きが遅く桜のほうが素早さで勝っているからだろう。

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『あぐｯ、がｯ！』

星も桜も、今何が起こったのかを理解できなかった。

吹き飛ばされたのだ、桜が。
そして吹き飛ばされたの同時に背中を裂かれ、男が張った結界に叩きつけられたのだ。

2人とも動けなかった。

それが隙となり、呪霊は桜に近づいていき、振りかぶった。

『い、、、“糸”』

背中からどくどくと血が流れる。
痛みもどんどん麻痺していきながらも、振り絞って糸を出した。

が、苦し紛れの技。もちろんそのくらいで呪霊が止まるはずもなく最も簡単に破かれた。

『(あ、死ぬんだ)』

振りかぶった呪霊が見えた。

視界がぼやけていく。
それは、多量出血によるものなのか、はたまた涙なのかはわからない。

だが、暖かい光が辺りを飲み込んだのは確かだった。

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ポルックス → 双子座の1等星。