星が散った夜。 (ページ15)

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アンタレスページ15

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？「桜、なんでいるの？起きて。桜、桜～？」

『ん、、、起きた』

開けっぱのカーテンから差し込んでくる光は朝の日差しのもの。

そして私の顔を覗き込んでくる星は、
いつもの柔らかい笑顔を浮かべてる星だった。

『星が、風邪だって聞いたから、、、来た』

星「来たのはわかるけど笑。
寝てたってことは一晩中いたの？、風邪うつしちゃってない？」

『多分へーき。
・・・・・星の方こそ、大丈夫？昨日、すごいうなされてたの』

星「うん。大丈夫」

あ、今の嘘。
今の“大丈夫”、大丈夫じゃないやつだった。

星「もうさぁ笑。嘘くらいつかせてよぉ笑。
もう、、、ごめんね？今の嘘。やっぱり、平気じゃないや。

・・・・・聞き流してくれていいからさ、話していい？」

『・・・お好きなだけ、どうぞ』

星「長くなっちゃうな～」

おどけた感じで星は、自分のことについて話し始めた。

自分の家が、呪術師の家であったこと。
兄ばかり期待されて、自分は相手にされなかったこと。
それでも諦めずに、努力したこと。
親に自慢したら、怒られたこと。
もう、何もかも信じられなくなったこと。
用済みだと言われ、捨てられたこと。

星は、話が進むごとに悲しそうな顔をするけど、話す口は止めなかった。

星「＿＿＿ってな感じで今に至るんだけど、、、って！？桜！？なんで泣いてんの！？」

『・・・え、？あ、ぁ。ううん、違うの。痛くない。』

ずっと、ずっと苦しんでたんだ。

『えらいえらい。私なんかより、ずっとすごいね。星って。』

星「ｯ～！！！
ありっ、ありがとぉ泣」

思わず、頭を撫でたら星は泣いちゃたの。
だけどね、感謝もされた。

きっと星は、私とは違って表情豊かなんだと思うの。感情もね。
家のせいで、感情を封じ込めて自分を偽ってたんだと思うんだ。

だから、せめて私の前では本当の“満月星”で居て欲しい。
って思うのは、傲慢なのかな？

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アンタレス → さそり座の1等星。赤いことから日本では別名「赤星」「酒酔い星」ともいわれる。