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晴嵐に潜まる妖【２−２】 Sside ページ9
「はぁ...、はぁ...。」
アレは一体何だろうか？
とっくに体力の限界は超えている。
晴嵐に映る2つの影。
どんどん近付いてくる。
ゆらゆら揺らめく影は時に大きく、時に小さく、絶えず形を変えゆく。
一寸先すら見えない草原をひたすら走る。
正体不明の影は恐怖そのものだった。
どれくらいたっただろう？
やっと晴嵐が晴れた。
恐る恐る振り返る。
金毛と銀毛の2匹の狐。
静かに佇んでいた。
「翔兄ちゃん、あれって狐さんだよね。」
微動だにしない狐は此方を睨んでるように見えた。
雅紀が怖がるのも仕方がない。
やるか...。
ゆっくりと空気が動き出す。
徐々に速く、激しく、渦を巻く。
やがて暴風となり、狐を襲った。
＿＿＿はずだった。
狐は、ｷｭｯ、と一鳴きして此方を襲って来る。
「危ない！」
叫ぶことよりも速く、本能が身体を動かす。
本能が弟を守れと命令を下した。
晴嵐に潜まる妖【２−３】 Mside→←晴嵐に潜まる妖【２−１】 NOside
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- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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作者名：神風海咲 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ENJOYLIFE1/
作成日時：2015年10月12日 20時
