・＿？side ページ40
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失明──その二文字が脳の中を過ぎる。
それは驚愕と困惑の感情に浸され、色濃いモノへと変わっていく。何故今、そんな感情に満たされたのか、俺には分からない。彼は俺達の敵の筈だ。それは十分理解している、なのに。
「…きっと右眼ももうすぐ見えなくなる。左眼と同じように、何も無いセカイを映し出す」
今度は右眼を指先で触れる。
「でも、正直悪い気はしないんだよね。この世界は醜い程に汚れている。人間が作り出した典型的な"汚れ"で侵された世界、そんなものを一生見続け、脳に焼き付け、死んでいく人間に俺はなりたくない」
目元を触れていた指を離すと、彼はヘラりと笑い捨てるように笑って見せた。
「だったらいっその事、どうせ死ぬなら使い古した
強制的に同意を促すように彼は優しく笑っていた。
──なんでこんなにも心が痛むんやろ。
この人は俺達にとって敵同然の存在だ。この人の目が見えなくなろうが、死のうが、俺にはどうでもいい事の筈だ。
なのに、どうしてこんなにも何かに突っかかっているような気分になるのだろうか。俺は何も間違ってはいない筈なのに、この人の言葉を聞いていると、実はいい人なんじゃないかと錯覚し始めてしまう。
「だから、頼むよ。見張り君、俺の最後の願いだ」
多分、この人は、俺の事をショッピだと、分かっていない。
ほんの少し、この人が俺だと気付いてくれるのではないかと期待した自分が居た。
「今はただ、哀れな目を失った男が物乞いしている、とでも思って願いを聞き入れてくれ」
また、彼は苦しそうにヘラりと笑う。
その突き付けられた事実に、どうしてなのかは分からないが、
──少しだけ、胸が傷んだ。
＿＿you side
「…あんたはそれでいいんすか…？そんな、誰が書いたかも知れない人生に流されて、死ぬ運命なんて…あんたはそれで、満足何すか…？」
「……勿論だよ。それが『悪役』の烙印を押された人間の運命だよ。一般ピーポーと違って悪役は主役に倒される、それが物語の本筋だからね」
「…それに、生きる意味を最近失ったから。こうなってしまった以上、もう俺はどうする事も出来ない」
「多分、俺は処刑される。見せしめ、いや、国の為に犠牲にならなきゃならない。だからもう、いいんだよ、もう、何もかも、諦めた」
「………そう、ですか」
何処か悲しそうに言葉を繋げる見張り君に、この人は優しい人なんだな、と影からそう思っている自分が居た。
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あまやみ。(プロフ) - 星降春さん» ありがとうございます！さて第四部では作者は星降春様を感動させる事が出来るのか！笑お言葉嬉しいです！応援の元頑張ります！ (2021年3月7日 20時) (
レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
星降春(プロフ) - 第三部完おめでとうございます！もう、最高ですか！？第四部が楽しみすぎて夜も寝れません笑。確実に泣いちゃいますね、第四部。どうか，アンデット君が報われますように。 (2021年3月7日 18時) (レス) id: a283d6b201 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - 奈飴亜さん» え、本当ですか！？ありがとうございます！！そう言って頂けて本当に心が嬉しくて叫んでます笑期待にお答え出来るよう頑張ります！！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - 地稲さん» ありがとうございます！いやもう地稲様の貴重なお言葉を頂けるだけで本当に嬉しいです！！何より楽しんで頂けているとお聞きできて、あぁ、書いてて良かったなと思えました！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - ハクグンさん» ありがとうございます！もう自分が作中で伝えたい事を読み取って下さってくれていて感激です！！気まぐれペースが続くと思いますが、どうぞお楽しみ下さい！！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまやみ。 | 作成日時：2021年2月20日 13時
