STEP31【嘘吐きな容疑者】 ページ16
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『──白い部屋』
『──色の無い部屋』
『いつも、独りぼっち』
…
「……ここは…あぁ、医療室か」
目を覚ませばそこは見覚えのある景色だった。鼻を擽る医薬品の匂い。ぼやけた視界の中で、俺は周囲を見渡した。
──それにしても変な夢を見たな。真っ白な、でも何処か懐かしい香りのする夢──あぁ、気持ち悪い。今更思い出したって何になる。今を変えれるなら、俺は何度だって夢を見てやるさ。
「ん？あぁ、起きた？どう？体の調子は」
声のする方を見ると、見慣れた姿でカルテを持ったしんぺい神が居た。相変わらず雑面で表情は見えないが、声音は普段と変わらず穏やかだった。
「大丈夫、少し傷みはあるけど、動けない程じゃないよ」
「…そっか、なら良かった」
「…このやり取り、何度目だろうね。もう馬鹿みたいに通ってるから回数なんて忘れちゃったよ」
「…はは、そうやね」
互いが互いに気を使っているかのような、そんなやり取り。笑い声は空気に乗って流れるが、それは全て愛想笑いのように聞こえた。
「──A君…起きて直ぐで悪いんやけど…」
そんな空間を打ち破るように、彼は気まずそうに口を開く。
「分かってるよ。俺、牢屋行き、でしょ？」
「…話が早くて助かるよ。シャオロン、大先生」
いつの間に居たのか、棚の影から呼ばれた二人の姿が現れた。機嫌の悪そうな鬱と殺気を押し殺そうともしないシャオロンの姿を俺は冷ややかな目で見ると、ニコリと笑った。
「…チッ…」
「…相変わらず性格悪いな。なぁ？Aちゃん」
「お前にだけは言われたくないね、
「……その名前で呼ばんといてくれる？お前の口からそれが出来るだけで吐き気がするわ」
鬱に睨み付けられるが、俺は変わらず笑顔を貼り付けていた。俺のやる事はただ一つ。もう、惑わせられない。自分の感情なんかに。
俺はベッドの上から立ち上がり、彼らの元に足を寄せる。
ガシャン──と鬱は俺の手首に手錠をかけた。
「──なぁ、A君。一つ、聞いてええか？」
しんぺい神が俺に声をかけた。
「ん？どうしたんだい？貴方は命の恩人だ、何でも答えるよ」
「…君はほんまに、グルッペンを
その言葉に思わず口を閉ざす。
「………そうだよ。俺は殺人鬼だ。君が今まで見ていた俺は本当の俺じゃない。それは猫被って笑顔を貼り付けた偽の俺──」
俺は顔に変わらない「笑い」を描く。
「──だからもう、俺に騙されたら駄目だよ。俺は天下の嘘吐き様だからね」
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あまやみ。(プロフ) - 星降春さん» ありがとうございます！さて第四部では作者は星降春様を感動させる事が出来るのか！笑お言葉嬉しいです！応援の元頑張ります！ (2021年3月7日 20時) (
レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
星降春(プロフ) - 第三部完おめでとうございます！もう、最高ですか！？第四部が楽しみすぎて夜も寝れません笑。確実に泣いちゃいますね、第四部。どうか，アンデット君が報われますように。 (2021年3月7日 18時) (レス) id: a283d6b201 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - 奈飴亜さん» え、本当ですか！？ありがとうございます！！そう言って頂けて本当に心が嬉しくて叫んでます笑期待にお答え出来るよう頑張ります！！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - 地稲さん» ありがとうございます！いやもう地稲様の貴重なお言葉を頂けるだけで本当に嬉しいです！！何より楽しんで頂けているとお聞きできて、あぁ、書いてて良かったなと思えました！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - ハクグンさん» ありがとうございます！もう自分が作中で伝えたい事を読み取って下さってくれていて感激です！！気まぐれペースが続くと思いますが、どうぞお楽しみ下さい！！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまやみ。 | 作成日時：2021年2月20日 13時
