STEP30【何も出来ぬ敗北者】＿No side ページ14
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「──神…グルッペンの様態は？」
いつにも増して無機質な空気が流れる医療室で、トントンは目を閉じたグルッペンの顔を見た。
「安心し、何とか一命は取り留めたから。今は眠っとるけど、もう大丈夫やで」
トントンの肩に積もる不安をどうにかして振り払おうと、しんぺい神はニコリと笑う。だが、その気遣いは奇しくも無能化され、トントンの表情は変わらない。
「…そか……
トントンはグルッペンの横で眠る己の敵──A=アンデッドの姿を瞳に映す。
その紅い瞳には強い敵対心と復讐心の入り交じった憎しみの感情が溢れていて、それは少しでも彼が感情を制御出来なくなったその時、彼は間違いなくAを殺してしまうだろう、と酷く感じられる程であった。
それを見たしんぺい神はトントンからそっと目を逸らし、Aの方を見る。
ベッドの上──そこには元々白い肌が更に白くなった、とでも言える程、まるで死人のように眠るAが居た。
──ほんの少しだけ、疲れたような顔をしている。
「…腹部の弾丸は取った。一応、命に別状は無いで。…チーノ君の打ち所が良かったからか、それともわざとか…それは本人に聞いてな？」
「…やっぱ、そうなんか…チーノが…」
…
『…すまんけど、暫く俺に話しかけんといてくれる？今、無性にイライラしとるんよ』
…
トントンの頭の中で、グルッペンを医療室に運んだ後の記憶が蘇る。普段の様子からはまるで想像出来ないようなチーノの態度に目を見開いた事を彼は覚えていた。
「…他の皆は何しとるん？」
「…オスマンとエーミールは貴族の相手、その他は城内の不審人物の捜索とA=アンデッドが毒を盛ったっていう証拠集め、やな。ゾムはまだS国の偵察から帰ってこんけど」
「…意外やね。そのままA君を犯人として捕らえて、斬首台に送りそうな雰囲気やったのに」
「…エミさんが説得してきたんや。どうしてもってな。あの人があんなに必死に言ってきたんやから、無視出来る訳ないやろ」
…
『皆さん、お願いです。Aさんを犯人として確定する前に、彼では無いという証拠を探して頂けませんか？証拠が無ければ罪には出来ない筈です。
──それに私は…私はとても、彼がグルッペンさんを殺そうとした犯人だと、どうしても思えない』
…
勿論エーミールの意見に否定した者も中には居た。だが彼のあまりの必死さにW国幹部総員、彼の意見を通さずにはいられなかった。
バタンッ──その時突然医療室の扉が開く。そこで金色の髪が大きく揺れた。
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あまやみ。(プロフ) - 星降春さん» ありがとうございます！さて第四部では作者は星降春様を感動させる事が出来るのか！笑お言葉嬉しいです！応援の元頑張ります！ (2021年3月7日 20時) (
レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
星降春(プロフ) - 第三部完おめでとうございます！もう、最高ですか！？第四部が楽しみすぎて夜も寝れません笑。確実に泣いちゃいますね、第四部。どうか，アンデット君が報われますように。 (2021年3月7日 18時) (レス) id: a283d6b201 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - 奈飴亜さん» え、本当ですか！？ありがとうございます！！そう言って頂けて本当に心が嬉しくて叫んでます笑期待にお答え出来るよう頑張ります！！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - 地稲さん» ありがとうございます！いやもう地稲様の貴重なお言葉を頂けるだけで本当に嬉しいです！！何より楽しんで頂けているとお聞きできて、あぁ、書いてて良かったなと思えました！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - ハクグンさん» ありがとうございます！もう自分が作中で伝えたい事を読み取って下さってくれていて感激です！！気まぐれペースが続くと思いますが、どうぞお楽しみ下さい！！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまやみ。 | 作成日時：2021年2月20日 13時
