STEP26【双子の後悔】＿No side ページ2
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「ふふ、普段のあの子に戻ったみたいやな」
医療室に取り残されたしんぺい神はクスクスと嬉しそうに笑う。そして手馴れた様子でバインダーを取ると、Aの寝ていたベッドの傍で彼はカルテに記入をし始めた。
「──なぁ、あの子はあー言っとったけど、」
誰も居ない
「──実際どうなのよ？コネシマ」
コネシマ──そう名を呼ばれて柱に隠れていた一つの影が大きく揺れた。
「はぁ…いつまで隠れとるつもりや？見ての通り、もうA君は居らへんで」
「…分かっとる…すまんな、ペ神」
のそのそと重そうな姿を柱の影から表すと、コネシマは近くに置いてあった椅子に座る。
「……殺せへんかった…」
「…みたいやね」
「…武闘大会ん時、アイツ一回可笑しなとこあってん。何かに驚いたような顔して、何かに焦ったような顔して…あんな顔、俺、見た事なかったから…だから、そん時、思ったんだよ。コイツもこんな顔出来るんやなって」
コネシマの脳にその時の記憶が浮かび上がる。
「気絶させるその寸前、アイツはその何かに解放されたように安心しきってた顔をしとった」
「いつも、悪態吐いたり、嘘言ったり、人を煽って嫌われる…そんな物語に出てくる悪役みたいな奴が…いざあんな顔して、目の前に立たれて…」
「ずっと殺そう殺そう思っとったのに…アイツのあの時の顔見て…殺せる訳、ないやろ…！」
後悔と憎しみの感情が入り交じった声が医療室中に響き渡る。
その時、ぽん、としんぺい神はコネシマの頭の上に手を置いた。
「…コネシマ、お前の判断や。自分の決めたその選択に今更後悔したって何も始まらへんよ。もし自分の判断にミスがあったって分かった時はそん時はそん時のお前の判断でA君を殺すか殺さへんか決めればええ」
そう言ってコネシマから目を逸らす。
「…まぁ、あの子は殺してくれた方が幸せなんかもしれへんけどな」
「…は？」
「いや、なんでもないよ。ほら、さっさと仕事に戻らんとトントンに怒られるで？それともなんや？俺に掘られたいんか？」
「い、結構です！ペ神、ありがとうな！」
ガチャンと乱雑に扉が閉まり、しんぺい神ただ一人がこの部屋に取り残される。
「別に…俺は何も役に立ってへんよ。だって俺は…目先で泣いとるA君を助けてあげられへんから」
彼はAが寝ていた時の事を思い出す。
Aの閉じた目からは一粒の涙──だって俺はそれを拭ってあげる事しか出来なかったのだから。
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あまやみ。(プロフ) - 星降春さん» ありがとうございます！さて第四部では作者は星降春様を感動させる事が出来るのか！笑お言葉嬉しいです！応援の元頑張ります！ (2021年3月7日 20時) (
レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
星降春(プロフ) - 第三部完おめでとうございます！もう、最高ですか！？第四部が楽しみすぎて夜も寝れません笑。確実に泣いちゃいますね、第四部。どうか，アンデット君が報われますように。 (2021年3月7日 18時) (レス) id: a283d6b201 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - 奈飴亜さん» え、本当ですか！？ありがとうございます！！そう言って頂けて本当に心が嬉しくて叫んでます笑期待にお答え出来るよう頑張ります！！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - 地稲さん» ありがとうございます！いやもう地稲様の貴重なお言葉を頂けるだけで本当に嬉しいです！！何より楽しんで頂けているとお聞きできて、あぁ、書いてて良かったなと思えました！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
あまやみ。(プロフ) - ハクグンさん» ありがとうございます！もう自分が作中で伝えたい事を読み取って下さってくれていて感激です！！気まぐれペースが続くと思いますが、どうぞお楽しみ下さい！！ (2021年3月7日 17時) (レス) id: 69b3072188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまやみ。 | 作成日時：2021年2月20日 13時
