RENJUN ページ45
あの日、Aから目を逸らしてしまったことをずっと後悔していた。
あの後チラッと見た時のAの表情か
なんともいえないような寂しそうな顔してて
俺は、Aにあんな顔をさせてしまったんだって。
上司に頼まれて同僚と買い物してたところ見られてマジでタイミング最悪だって思った
変に彼女とか思われたくないし
けど…あの時はムカついてたから
ジェノにAが仕事を辞めたことを聞かされて、いずれAが自分の口から言うから黙っててくれって
なんだよそれ。あれだけ仕事は辞めないって。
後輩ができて楽しそうにしてたのに
俺に何も、相談もせず辞めるなんて
ずっと、もやもやしてた。けどいつかはAと話さなきゃって。
そうその日が今日、俺の誕生日。
毎年Aは欠かさずお祝いしてくれたし、2人で過ごした
今年もお祝いしてくれるだろうって心のどこかで期待してたけど夜になっても、俺のケータイは静かなままだった
アイツ、まだ怒ってんのか…？
お互いにしばらく連絡とってなかったし
誕生日に俺から連絡するなんてクソダサいけど
どうしても今日はAと話がしたい。
俺はケータイをとってかなり前にしたであろう
Aを探して画面をスクロールした
「…は？」
確かに、Aとしたはずの会話の画面
なのに
"メンバーがいません"
俺が撮ってあげた写真だったトプ画も消えていた
ちょっと待てよ、意味がわからない
不安になって、急いで電話をかけた
"おかけになった番号は現在使われておりません"
「どうなってんだよ…」
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作者名：ELFchan107 | 作成日時：2023年7月27日 3時
