6-2 ページ50
サマディーを出て西に向かうイレブン一行は、サマディーであった出来事を思い出していた。
「それにしても、なんで最後にレイだけ名指しだったんだろうな、」
カミュは顎に手をやりながら首を傾げて不思議に思っていた。
「そうですね、ファーリス王子と面識があるのですか？」
カミュの疑問にみんなも思っていたようで、視線がレイの方に集まる。
「サマディー王に面識はあるけど、ファーリス王子のことは知らない。」
「ふふっ、もしかして…。」
レイの返答で何かを悟ったのか、シルビアは両手を合わせてニヤニヤしていた。
シルビアの笑みにベロニカも気づいたのか、あからさまに嫌そうな顔をした。
「でも、あんなのに好かれても嬉しくないでしょ。…お金だけはあるみたいだけど。」
「レイもレイでファーリス王子と話してたみたいだったしな。」
少し怒っているのか、カミュが刺々しい口調で言い放った。
「あれは…同じ王族としての助言で、私のように後悔してほしくなかったからです。ファーリス王子を実際に変えたのは私じゃなくてシルビアですし……私には身に余る話です。」
(現に、私はもう王族じゃないし…ファーリス王子のことはそう言う意味で思ってないし。)
「……そうかよ。」
レイの言葉にカミュは更に機嫌を損なったようで、もう聞きたくないとでも言うかのように早足で列の先頭に行ってしまった。
「あらあら、カミュちゃんには余計なお世話だったわね。」
「姉さん、…大丈夫？」
「うん。」
(カミュが怒るようなことは何もないとは思うんだけど、……私何か余計なことしちゃったのかな？)
結局それ以上サマディーで起こったことに関しては誰も話そうとせず、話題を変えるように、次はシルビアの旅芸人としての思い出話を聞くことになった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 100人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りあ@プリ小説してまーす(プロフ) - こちらの作品、見ててハマりました。これからも応援してます。 (2020年12月15日 2時) (
レス) id: 3b49f92543 (このIDを非表示/違反報告)
ペルイ - カミュとシルビアかなと思います。これからも頑張ってください！応援しています！ (2019年10月27日 23時) (レス) id: 9613fd4f62 (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - カミュがいいです。更新大変だと思いますが、頑張ってください！ (2019年10月27日 20時) (レス) id: 9995b93200 (このIDを非表示/違反報告)
緑茶 - グレイグがいいです。 (2019年10月27日 2時) (レス) id: b9f83decc8 (このIDを非表示/違反報告)
レン - 楽しく読ませて頂いてます。私生活も有りますので、ゆっくり更新でも良いと思います。��シルビアさんや�ゥ哀譽ぅ阿�良いかなと勝手に思ってます。 (2019年10月22日 22時) (レス) id: acc6103e6d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひじり若葉 | 作成日時：2019年10月14日 8時
