ユグノアの姫2【ドラクエ11】 (ページ21)

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ロウの後を静かに着いていき、暫くした所でロウはまた話を始めた。

16年前、ロウは隠居しており城下に降りては民と杯を交わし笑い合う毎日。
しかし、そんな毎日を奪って行ったのが魔物達であったこと。
今やかつての栄華は見る影も無く、一晩でユグノア王国は滅びてしまった。

と、ロウは目を瞑りながらイレブンに過去のことを伝えるかの様に話した。
そして、話終わると「別に見せたいものがある。」と言ってまた歩き出してしまった。

(きっとおじいちゃんはお母様とお父様の墓石を見せたいんだわ。)

少し歩くと、レイの思う通りで、ロウは墓石の前で足を止めた。

「おじいちゃんこのお墓は？」

「この国の…ユグノアの、国王夫妻の墓じゃよ。」

ロウがそう言うとみんなはっとして、シルビアはレイとイレブンを交互に見て切なそうな顔をした。

「それってつまり…。」

「左様。勇者イレブンの実の両親。即ち、16年前に亡くなったわしの娘とムコ殿の墓じゃよ。娘も死に、ムコ殿も死に……それでもわしだけが生き残ったことは意味があると。そう思わなければあまりにも辛すぎた。」

そう言うと、ロウは後ろを振り向き真っ直ぐとイレブンを見上げた。

「だから、16年前わしは追い求めたのじゃよ。なぜユグノアは滅ぶことになったのか、その原因を探るのを生きる目的としたのじゃ。」

ロウはイレブンを墓石の前にくるよう、手で誘導し、イレブンは前に一歩出る途中横目でレイを見たが、レイは先に二人に別れを告げていた為、イレブンに小さく頷いて二人のやりとりを見守った。
イレブンがロウの横に立つと、レイの隣にいたシルビアがレイの背中をそっと押して、墓石の前に3人が並ぶようにした。
それでもロウはまだレイの存在には気づいていないようだった。

みんなが墓石を前に手を合わせたところでロウはまた話を始め…、

自身が各地を回る中で勇者伝説の信奉者であったデルカダール王の変心を知り、16年前のあの日からデルカダール王はまるで人が変わったかのように勇者を悪魔のこと呼び非難を始めたとのこと。
そして、自分の娘の死まで勇者の仕業として世に広めている、この心の代わりようにロウはデルカダール王が正気であるとは思えなかったこと。
そして、この出来事は裏で何か起きていると考え、亡命の真相と盟友の変心を必ず解き明かすと心に誓ったと…、そう、涙を浮かべながら話してくれた。