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篝火の方に行くと、レイのよく見知った…でも懐かしい人が静かに立って待っていた。
(おじいちゃん…っ。)
やっと会えた祖父に、思わず涙が込み上げてきそうになるが…レイはぐっと涙を堪えてみんなの後に着いていった。
レイ達がロウの前まで来ると、ロウは話を始めた。
「ふぉっふぉっふぉっ、お主らが来るのを待っておったぞ。」
懐かしい声、懐かしい顔を近くで聞き、見るとより心の内がじーんと熱くなっていく。
その様子を横で見ていたシルビアはレイの背中をそっとさすってくれた。
「一緒にいた姉ちゃんの姿が見えないがじぃさん一人だけか?」
「故あって姫には席を外して貰っている。それにしても、よく来てくれたのう。」
(姫…、やっぱりマルティナなんだ。)
「来いと言うから来てやったぜ。奪った虹色の枝を返したもらおうか?俺たちにはあの枝が必要なんだ。」
「ふむ、お主達に必要とな。……それはイレブンが勇者であるからかの?…16年前に死んだと思っておったぞ。だから、グロッタの武闘会で手のアザを見た時は心の臓が止まるかと思ったわい。イレブンにどうしても見せておきたいものがあったんじゃ。少しだけこの老人に付き合ってもらうぞ。」
どうやらロウはまだレイの存在には気づいていないようで、視線はずっとイレブンに向けて話していた。
そんな様子に気になったのか、シルビアはレイに耳打ちをした。
「あのお爺さん、レイちゃんの…?」
「うん…、おじいちゃんは気づいてないみたいだけど。」
レイがそう言うと、シルビアはレイに笑顔で頷き、家族の再会を自分のことの様に喜んでくれた。
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きょちゃちゃ - めっちゃ!面白い!です!← ドラクエ11全クリしたので展開は知ってるんですが...これからどうなるのか楽しみです...! (2022年11月21日 19時) (レス) @page14 id: a2b9d0ac16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひじり若葉 | 作成日時:2022年7月7日 8時