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部屋に入り一息ついたところで、ベロニカが口を開いた。
「ところで、レイはどこに行ってたの?イレブンがすごい心配してたわよ。」
「…ユグノアに行ってたの。」
「ユグノア…レイ様とイレブン様の故郷ですわよね?」
「うん…イレブンの前ではちゃんとお姉ちゃんで居たかったから先に行ってきたの。」
「レイ…。でも、そうだとしてもイレブンにはちゃんと言ってやんなさいよ。」
「…そうだよね。分かった、ちょっと行ってくるね。」
部屋を出てロビーまで行くと、ちょうどよくイレブンが居た。
イレブンはレイに気付くと少しだけ微笑んだ。
「イレブン、起きてたんだね。」
「うん、もう少ししたら寝るよ。姉さんは?」
「…うん、あのね。何処に行ってたの…って聞いたでしょ?実は、ユグノアに行ってたの。」
レイがそういうとイレブンは少しだけ驚いたようだったけれど、少し考えた後ふっと笑みを浮かべた。
「それじゃあ…良かった。」
「…え?」
絶対に怒られたり拗ねられると思ったからイレブンから出た言葉に気の抜けた声が漏れる。
「カミュがいたんだよね?姉さんが一人じゃなくて良かった。」
…怒るどころか、逆にほっとしているイレブンに言葉が詰まる。
「僕が一緒に行っても姉さんの辛さは分からないし、僕の前だと強がるから、側にカミュがいてくれて良かった。」
(イレブンには、全てお見通しだったんだ…。)
自分だけじゃなく、この旅でイレブンも確実に成長していることにレイの心の内がじんと熱くなった。
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きょちゃちゃ - めっちゃ!面白い!です!← ドラクエ11全クリしたので展開は知ってるんですが...これからどうなるのか楽しみです...! (2022年11月21日 19時) (レス) @page14 id: a2b9d0ac16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひじり若葉 | 作成日時:2022年7月7日 8時