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支度を済ませていざユグノア城に向かうことした二人。
レイの足取りはカミュのおかげもあってか、昨日よりは軽いものだった。

「…ここ、か。」

朽ち果てたユグノア城を目の前にしながら、レイは小さく息を吐いた。

「俺はここにいるから好きに見てこいよ。」

一人で来たいと言ったことを気にしてくれているのか、そう言いながらカミュは壊れた門の近くに寄りかかった。

「うん、ありがとう。行ってくるね。」

カミュを背にして歩き出すと、奥の方に小さな墓石を見つけた。
少し屈んで刻まれている名前を見てみると…、

「アーウィン、…エレノア…?」

ユグノアの国王夫妻の名前がそこに書いてあり、レイの瞳にはうっすらと涙が浮かんだ。

「誰かが…建ててくれたの?」

そんなことするのは誰だろうと思い返してみると、ついこの前の仮面武闘会での出来事が思い出された。

「まさか、……おじいちゃん…?」

武闘会で見たお爺さん、どこかレイの祖父であるロウに似ているように思ったが…。

(でもおじいちゃんは当時隠居していた。城下町の方もすごい被害が出ていたし…。)

あんなに苦労して逃げてきたレイ自身、たとえ祖父が強かろうが生きているとは到底思えず考えを打ち消した。

「きっと、他の誰かが建ててくれたんだわ。」

墓石を建ててくれた誰かに感謝の意を、そして両親を追悼する意を込めて、レイは墓石の前で静かに合掌した。
両親の生前を思い返せば思い返すほど涙が止まらなくなるが…それでもしばらくの間、レイはそのままでいた。

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きょちゃちゃ - めっちゃ!面白い!です!← ドラクエ11全クリしたので展開は知ってるんですが...これからどうなるのか楽しみです...! (2022年11月21日 19時) (レス) @page14 id: a2b9d0ac16 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひじり若葉 | 作成日時:2022年7月7日 8時

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