華金 ページ5
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それから少しして。
金曜日。
「華金やし、みんなで飲み行こうや！」
っていう丸山さんの一声で
私は居酒屋へ来ていた。
丸山さんと安田さんと他同僚と、
あと、安田さんに引きずられてきた渋谷さんと。
私は女子グループでまとまって座って
ちらっと隣のテーブルを見ると
渋谷さんは端っこでメニューを見ていた。
こういう飲み会の時は素早く察して
言い出す前に帰ったりもするのに、珍しい。
あー、でも確か、
今日定時前に上司に仕事振られてたかも。
それで残ってたから、かな。
「瀬戸ちゃん渋谷さん狙い？」
「へっ？！」
思わず大きい声を出してしまって
みんなからの注目を集めてしまう。
その大きい声の原因となった
私の耳元で小さく囁いた声。
「ゆうちゃん何言ってるん」
「違った？」
へらっと笑う彼女は、同期のゆうちゃん。
「違うやん。なんで」
「渋谷さんのこと見てたし」
普段ふわふわしてるのに
人のことを結構見てるんだよな、この子は…
と、今更思い出す。
「珍しいなぁと思ってさ。いつも来ないやん？」
「いつも誘われる前に帰るもんね〜」
「っていうかゆうちゃんも珍しい。しーちゃんは平気なん？」
しーちゃんっていうのは、
ゆうちゃんのこども。
27歳にして、1児の母なのだ。
「旦那さんが見ててくれるっていうからさ〜まぁ早めに帰るけど」
「相変わらず優しいね」
「優しさだけが取り柄だからね、あの人は」
「またまた」
しーちゃんの写真を見せてもらっていると
ようやく飲み物とお通しが到着した。
丸山さんがハイテンションに
乾杯の音頭をとる。
仕事終わりのビールが
かわいた体に染み渡っていく。
「それで？」
「え？」
「え？じゃないよ、なんかないの？楽しい話」
ゆうちゃんの言う ”楽しい話” というのは、恋バナ。
普段から少女漫画を読み漁るほど
そういう話が大好きなのだ。
「私振られたばっかりなんですけど？」
「あんなやつさっさと忘れなって！27なんだし、次に進まないと」
「って言われても…」
「なんかないの？」
なんか、と言われても…
あれから変わったことといえば、
渋谷さんと話すようになったことだけで。
でもなんとなく、
土手の話は内緒にしておこうと思った。
別にゆうちゃんの求めてるような
そういうことではないし。
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はるまる(プロフ) - のるさん» コメントありがとうございました！！いかがでしたでしょうか！次回作もぜひ(^^)！ (2019年12月13日 18時) (
レス) id: 74b7d9762d (このIDを非表示/違反報告)
のる(プロフ) - いいですねぇぇっぇぇえ (2019年12月10日 10時) (レス) id: f5d566c6da (このIDを非表示/違反報告)
のる(プロフ) - な…何があったんですか！？ (2019年11月19日 17時) (レス) id: f5d566c6da (このIDを非表示/違反報告)
のる(プロフ) - この平和な感じ……いいですねぇ！続き楽しみに待ってます！ (2019年11月18日 8時) (レス) id: f5d566c6da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるまる | 作成日時：2019年10月13日 19時
