コード ページ15
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「私、中学も高校も吹奏楽部に仮入部してたんです。トランペットとかフルートとかやらせてもらうんですけど、まぁ音が出なくて」
「管楽器は難しいよな」
「そうなんです。ほかの仮入部の子達は少しずつ音が出るようになるのに、私は全く。多分センスがなかったんやと思うんですけど」
だから結局、調理部とか茶道部とか
食べ物の部活に走ってしまっていた。
「でもその点、ギターは楽しいですね。最初から音が出る」
「せやな。そしたらこうするともっと楽しくなんで」
渋谷さんはお茶を置いてそのまま
私の方へ近づいてきて、
ギターに触れた。
渋谷さんに近い左半分が熱くなる。
左手で弦を押さえるわけだから
その分ぐっと距離も近くなるわけで
手汗が一気に溢れ出る。
「弾いてみ」
「はい…っ」
急いで手汗を拭いて
さっきと同じように弦を撫でると
「わっ」
さっきと音が全然違った。
「こっちを押さえると音が変わんねん。それがコードっていうんやけど、指の押さえ方次第で色んな音が出るから、それがメロディになんねん」
「コード！聞いたことあります！」
知っている言葉に、
思わず渋谷さんを見ると
想像以上に近い距離で、
慌てて視線を逸らした。
あかんあかんあかん。
ちっっっっっか。
赤くなっているであろう耳を隠すように
耳にかけていた髪の毛をそっとおろした。
その後はお茶を飲んで、
また無タイトルを歌ってくれて
それだけ。
一度もそういう雰囲気になることなく
健全に解散をした。
帰り、マフラーが
どっちかわからなくなったけど。
あまりにも健全すぎて、
脈なしやん…って少し落ち込んだ。
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はるまる(プロフ) - のるさん» コメントありがとうございました！！いかがでしたでしょうか！次回作もぜひ(^^)！ (2019年12月13日 18時) (
レス) id: 74b7d9762d (このIDを非表示/違反報告)
のる(プロフ) - いいですねぇぇっぇぇえ (2019年12月10日 10時) (レス) id: f5d566c6da (このIDを非表示/違反報告)
のる(プロフ) - な…何があったんですか！？ (2019年11月19日 17時) (レス) id: f5d566c6da (このIDを非表示/違反報告)
のる(プロフ) - この平和な感じ……いいですねぇ！続き楽しみに待ってます！ (2019年11月18日 8時) (レス) id: f5d566c6da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるまる | 作成日時：2019年10月13日 19時
