錦戸くんと恋をするなら

ドライフラワーとビール ページ14

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どうやら亮ちゃんのマイブームは
バナナジュースらしく


そしたらこないだテレビで
バナナジュース特集をやっていたと。


そういや私バナナ好きやったやん？！




…っていうことで、作ってきたんやって。




よくわかんないけど
バナナジュースは確かにおいしかったし


亮ちゃんもご機嫌だから、まぁ良し。




「どこ行く？」


「あ、俺行きたいとこあんねん」


「…もしかしてバナナジュース専門店とか」


「アホ。バナナジュースは俺が作ったのが一番うまいねんで」




そうなんか。




「普通に居酒屋！…あ、そこ」




指さすのは、最近できた小洒落た居酒屋さん。


実は私も気になっていたお店。




「クラフトビールいっぱい置いてあるらしいな」


「亮ちゃんビール飲めんの？」


「舐めてんの？」




舐めてないです。




「まぁ飲めるやろ」


「なにその微妙な感じ」


「生は飲めるけど、クラフトビールってあんま飲んだことないやん？」


「そ？私は好きやけど」


「酒豪やもんなぁ」


「ちゃうわ！！」


「まぁクラフトビール以外もあるらしいし、最悪ほか飲むし」




っていうので中に入ると


カウンター席が10席ほどと
テーブル席が1、2、3…あと奥にも続いてるらしい。


意外とでかい店やねんな。


カウンター席の人らと楽しそうに話してるのは
女の人(多分店主さん)で


その人の趣味か、
ドライフラワーが壁に飾られている。


普段行くような大衆居酒屋ではない
洗練された人がおるようなお店に


少しドキドキする。




「2人なんですけど」


「いらっしゃい！カウンター席埋まっとるけぇ、奥の方空いてるとこ座ってくださいな」




店主さんはにこやかに微笑む。


関西の人ちゃうねんな、広島とか？


広島ってヤクザ言葉みたいなイメージやけど
店主さんが話すと柔らかくて優しい。


奥の方は半個室のようになっていて
その空いている席に私たちは座った。


手書き風のメニューには
クラフトビールがずらっと並んでいる。




「おしゃれな店やなぁ」


「な！普段あんま来おへんから緊張する」


「ね、私も」




お互いに緊張しながらも、


クラフトビール初心者がよく頼むという
よなよなエールを注文した。





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