妄想ちゃう？ ページ25
.
…
…？
…？！
「へっ？！！」
「なに、」
「え、いや、…え？！！」
ちょちょちょ、まって？
ぜんっぜん追いつかへん。
俺今、” 俺のこと好きになってくれた？ ”
って聞いたやんな？
で、頷いた。
「え？」
「え？」
綾瀬さんはおかしそうに笑ってるけど、
いやいやいや！
笑い事ちゃうやんか！！！
「俺今、俺のこと好きになってくれた？って聞きましたよね…？」
もしかしたら全部俺の妄想で、
その言葉も心の中で呟いただけだったり、
「うん」
しなーい！！
えっ？！
「頷いたらそれ、…俺のこと好きってことに…」
「…あかんの？」
「あかんわけない！！！…へっ？！！」
あかんの？って聞く綾瀬さん
めっっっちゃくちゃかわいかった…
って、え？
ほんまに言うてんの？この人…
「…なんで？」
「なにが？」
「なんで、俺のこと…好きになってくれたんですか…？」
だってこの間まで、
つい最近まで避けられてたわけやし、
は？
ぜんっぜんわからへん
「前にも言うたやろ？男運ないねん、私」
「聞きました…」
「クズ男好きになるタイプやねんな」
「…え、」
「だから好きになったんちゃう？大倉くんのこと」
「えぇ〜〜？！なにそれひどい…」
クズ男＝俺、ですか？
えぇ〜〜〜
否定できひんとこがまた最低やな俺…
「うそうそ(笑)」
綾瀬さん大爆笑。
うそなんかい
まぁかわいいからいいけど。
「私のことあんなに想ってくれる人いなかったから。…嬉しくて。なんやろ。…大倉くんなら、全部受け止めてくれるかもって、思って」
「受け止めます。」
「ふふ、そうやろ？」
ふわって、笑う綾瀬さん。
俺は、ガタッと椅子から立ち上がって
辺りを見回した。
ふぅ、と息を吐いて腰を下ろすと
俺の行動に驚いた様子の綾瀬さん。
おっきい目をさらに大きく見開いてる。
「なに急に」
「いや、人いたらどうしようって」
「見せつけたればええやん」
おー？！綾瀬さんすげえこと言うやん(笑)
でもな、そういうことじゃないねん。
「今の言葉も表情も、俺だけのもんにしたいから絶対見せてやんない」
「…さすが女ったらし」
「え？！」
「言われて嬉しい言葉がよくわかってる」
俺に手を伸ばしたかと思うと、
綾瀬さんの両手は
俺の頬を包み込み、
唇が重なった。
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作者名：はるまる | 作成日時：2019年6月5日 20時
