2人の帰り道 ページ23
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綾瀬さんと2人で歩く帰り道。
いつぶりやろ。
あのあと、綾瀬さんが帰るって言うから
俺も無理やりついてきた。
また危ない目に遭ったら怖いし。
…綾瀬さんのそば、離れたくないし。
「ごめん亮ちゃん、帰るわ」
「はっ？！」
「え〜〜大倉さん帰るんですかぁ？！」
「錦戸さんは帰らないですよねっ？」
「へ、あ、」
「また月曜日な！おつかれさん！」
「ちょ、大倉ぁ！！」
てな感じ。
亮ちゃんもちょっと変わった気がする。
運命の再会、やっけ？
あんま詳しく聞いてないけど
俺とおんなじなのかも。
「綾瀬さん、なんで今日来ようと思ったんですか？いつも来てないですよね？」
「あ〜、後輩の子…ヨコの彼女ね。が、行きましょうよ〜って言うからさ」
「へぇ」
「まぁたまにはいいかなって思ったけど、やっぱ行くもんじゃないわ。」
綾瀬さんは苦笑いを浮かべ、
何かを思い出したように俺を見上げた。
「あの子には言わんといてよ？今日のこと」
「なんで？」
「余計な心配かけたくないし。あの子から誘われたから、責任感じちゃうかもしれへんし」
「わかりました」
細い肩と、
ゆるやかに波打つ柔らかそうな髪の毛。
白い肌に、綺麗な瞳。
改めて、
綺麗やと思った。
「綾瀬さんって、横山くんのどんなとこを好きになったんですか？」
「え？」
少し笑って、俺を見る。
「なんか、ずっと気になってて」
「んー…なんやろ。クズ男と別れたばっかやったから、よく見えたのかもね。結局ヨコも過去にしがみついてる人やったけどさ」
「じゃあ、クズ男一回挟んだら、俺のことも好きになってくれる可能性があるんやろうか」
「なにそれ」
なにそれ、やんな。
変な思考。
「クズ男にはもう捕まらへんよ」
「うん。そうしてください」
「それに、…そんなんしなくても、好きになるかもやし」
「えっ？！」
いま、なんて…
え、
え？！
「ちょ、え、」
「なに？(笑)」
「いや、なに俺今告白されました？！」
「されてません」
「で、すよね…」
ふふ、と楽しそうに綾瀬さんは笑う。
また新しい反応で
少し戸惑うけど
なんかちょっと嬉しい。
壁が、少しだけ、なくなった気がする。
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作者名：はるまる | 作成日時：2019年6月5日 20時
