タイプ ページ17
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「どんでん返し何回あったんやろ？！」
「うわ〜どんでん返しされた！って思ったら、また！また？！って」
「ほんま裏切らないな〜！安定に面白い」
綾瀬さんがこういうとこ好き！っていうから
映画のあと、大衆居酒屋のようなとこに来た。
意外やな〜
イタリアンレストランとかにいそうなのに。
「いや、ほんまにおもしろかった！…ん、うま！なにこれ、めっちゃおいしい！」
よっぽど映画を気に入ったのか
めっちゃご機嫌な綾瀬さん。
めちゃくちゃかわいくない？
楽しそうにお酒飲んでても、
サラダが来たらさっと取り分けてくれるし、
俺がこぼしたらさっと拭いてくれるし、
しかも見せつけるようにじゃないねん。
あくまで自然に。
自然にそういうことができる人なんやろうな。
気遣いの人なんや。多分。
ほんまに完璧すぎて、悪いとこ見つからへん。
すごくない？それって。
俺なんて悪いとこだらけやわ、多分。
あんまり長居も良くないと思って、
2時間制の店を出たら、駅に向かった。
一緒にいたくても
ダラダラ長時間デートは良くないんやって。
こないだテレビでやってた。
高校生向けのな。
高校生の恋愛相談を
真剣に聞いていた俺。
やばいよな。
でも多分、本気なんやろうな。
「綾瀬さん、好きなタイプは？」
とか聞いちゃうのは、
俺の恋愛事情散々言わされたからで
「…いい人なら、なんでも」
なんて曖昧な返答。
「理想高くないんや？」
「んー。…私、男運最悪やねん」
「え、」
綾瀬さんは困ったように
髪の毛に触れながら小さく笑った。
「今までの人。DV男とか、お金持ち逃げされたりとか、ワンナイトで捨てられたり、…それこそ、過去の女にしがみついてるやつもいたし」
「それは…」
なんて言うたらいいかわからへんな…
どんな恋愛してきたんやろ。
「周りにやめとけって言われても好きになってまうねんな。それで、付き合って、後悔して、の、繰り返し」
「そしたら俺平気ですよ。DVなんてせえへんし、金にも困ってない」
そう言ったら、綾瀬さんは、ふふっと笑った。
「そ？でも遊ばれそうやん、大倉くん」
「そんなんしませんよ！！」
「もう私も31やしさ、ちゃんと真面目に、いい人とお付き合いしたいわけよ」
「…それはまぁ」
「大倉くん真面目ちゃうやろ？」
首を横に振れない今までの生き方に
はじめて後悔した。
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作者名：はるまる | 作成日時：2019年6月5日 20時
