初デート ページ13
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そして、ついにやって来た土曜日。
楽しみすぎて
待ち合わせより15分も早く来てもうた。
さすがに綾瀬さんはまだいない。
服、変ちゃうかな。
後頭部の髪の毛はねてへんかな。
ほんまに中学生みたいに
そんなことばっか気になって。
お店のショーウィンドウにうつる自分を
ひたすら見ていた。
「大倉くん？」
俺を呼ぶ声に振り返ると、
うわ、
めっちゃかわいい…。
「大倉くん？」
「あ、おは、おはようございます！」
「ふふ、おはよ」
仕事の時まとめている髪の毛は
ふわっと下ろされていて、
メイクもいつもと違う？
服装も、いつもより少しカジュアルだ。
やば、普段の綾瀬さんこんな感じなん？
こんなん男ほっとかへんやん…
「行こっか」
「はい！」
こっち、と歩き出す綾瀬さんの後ろ姿に
ニヤニヤが止まらない…
口元を必死に抑えて綾瀬さんについていった。
「ここです」
到着したのは、
ログハウス風のかわいらしいお店。
こういうお店普段から来るんかな
めっちゃ似合うわ
とか思いつつ店内に入る。
「ここね、ミルクレープがおいしいんだって」
「…え、」
ミルクレープ、って、
「大倉くんこないだミルクレープなら食べられるって言うてたから」
「だからミルクレープの店…？」
うわ、
めっちゃ好きやわ、この人…。
「食べられそ？」
「はい！食べます！」
「よかった。ここ人気らしくて一度来てみたかったんだよね」
メニューをパラパラ眺めながら
あれも…これも…と小さく呟く綾瀬さん。
もうほんまに…むっちゃ好き。
あかんわ。
今日心臓が持たん。
「大倉くんどれにする？」
って俺を見る視線も
「私これとこれで迷ってる。…んー、どうしよ」
って考えてる姿も
「…じゃあそれとそれ頼んで半分にします？」
「え、いいの？」
って嬉しそうな顔も
全部、
全部愛おしい。
こんな感覚はじめてかもしれへんな。
届いた2つを嬉しそうに眺め、
半分に切って俺に渡してくれる。
「いただきます！」
「いただきます」
お店のミルクレープは少し甘かったけれど
綾瀬さんとなら
ショートケーキも食べられるんじゃないかって
なんとなくそう思った。
「大倉くん、おいしい？」
「ん、おいしいです」
「よかった！おいしいね」
この笑顔、独り占めしたいな。
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作者名：はるまる | 作成日時：2019年6月5日 20時
