負けへんで ページ11
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そんなこんなで
出先から戻ってきた綾瀬さんに
ドキドキしちゃう俺。
「熱でもあるの？」
「…ないです」
横山くんの彼女さん、
めっちゃニヤニヤしてくるやん。
も〜〜。
「綾瀬さん一緒に帰りません？良ければ飯でも」
「帰るのはいいけど、このあと予定あんねん。ごめんね？」
「じゃ、一緒に帰りましょ」
綾瀬さんの事務作業を少しだけ待ってから
一緒に会社を出た。
入り口でちょうど横山くんとすれ違った。
「なんか大倉くんいつもと違う」
「ちょっと…自覚してもうて」
「自覚？」
「こっちの話。」
「ふーん」
好きって、思うと、
なんか全然違う。
綾瀬さんちっちゃくて、ほっそくて、
俺が守らなとか、柄にもないこと思ったり。
「綾瀬さんどこか行きたいとことかあります？」
「行きたいとこ？」
「一緒に行きたいなぁって」
ニコッといつもの笑顔を作るけど、
ちゃんとできてんのか不安。
「じゃあケーキ食べたい。」
「ケーキ…？」
俺甘いもの苦手なの
綾瀬さん知ってるよな？
うわ〜〜、いじわるやな。
意地でも行きたくないってか。
「いいっすよ。行きましょ」
綾瀬さんのためなら頑張ったろ。
「え、行くん？」
綾瀬さんはぽかんとした顔で俺を見る。
ほら、甘いものなら
俺が断ると思ったんやろ？
そんな簡単やないで！！！
「行きましょう」
「苦手なのに？」
「うん。」
「…ガッツあるね(笑)」
「綾瀬さんのためですからね」
意味わかんない、とか言いながら
楽しそうに笑っている綾瀬さん。
ほんまにめっちゃかわいいな。
「いつ行きます？土曜日は？」
「じゃあ土曜日でいいよ」
「やった！！！」
ついに！ついにデートや！！
ケーキは…気合いやな。
「俺今週仕事めっちゃ頑張れそう」
「そりゃよかった」
駅に着いて、
別々のホームへ。
「お疲れ様」
って手を振る綾瀬さんがかわいくて、
別れてからもニヤニヤが止まらなかった。
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作者名：はるまる | 作成日時：2019年6月5日 20時
