村上くんと恋をするなら (ページ10)

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かわいくないページ10

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さくらが送ったメッセージ。

婚活サイトの彼から
返事はわりとすぐに来て、

トントン拍子に日時が決まって、

そして今日。

普段基本パンツスタイルの私だけど
一応スカートにしてみた。

長い丈のやつ。

私に出来る限りの、最大限の女子力アピールだ。

大阪駅で待ち合わせをする。

ビッグマン前。

土曜日ということもあって
周りは待ち合わせであろう人がたくさん。

彼の名前は、せしょーさん、と言うらしい。

漢字で書くと、「世翔」。

所謂キラキラネームなのだと
彼は言っていた。

せしょーさんの顔はよく知らない。

多分せしょーさんも私の顔はよく知らない。

お互いに分かりづらい写真だから。

だからお互いに服装の特徴を伝えあって
周りをキョロキョロして

「Aさんですか？」

そう声をかけてきたのは、
わりと身長の高い男性だった。

「せしょーさん、？」

「です。よかった～会えへんかと思いました」

ふわっと笑う彼は、

イケメンの部類には入らないけど
笑顔の素敵な人だ。

「行きましょうか」

「はい…！」

人見知りするタイプではないけど
なんとなく緊張する。

初対面だしなぁ、と思う。

私はわりと身長も高い方だけど
せしょーさんはそれよりだいぶ大きい。

村上なんかより全然。

多分、まるちゃんよりも。

いいよねぇ。

高身長男子。

…いかんいかん。

さくら直伝の三か条を思い出す。

・綺麗な言葉遣いを！
・大雑把な性格は隠すこと！
・気遣い上手になること！

よし…！

「Aさん普段どういうとこで飲みます？」

「ん～。安いとこばっかですかね。安いとこでいっぱい飲む、が、好きです」

あれ、待って。

全然かわいくない回答では？！

「いいっすね！いっぱい飲めるの羨ましい」

「せしょーさんあんまり飲まないですか？」

「すぐ酔っ払っちゃうんですよね。2杯くらいで顔も体も赤くなっちゃう。体質的にあんまり飲んじゃいけないタイプっぽい」

「そっか…。私はもういくらでも飲めちゃうんですよね。全く変わらへんやん？ってめっちゃ笑われる」

「いいなぁ、そんくらい飲めるようになりたい」

え、全然かわいくないよな？

言葉遣いはまぁ、うん。

気をつけてるけど。

回答が良くないわ。

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