村上くんと恋をするなら (ページ6)

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結婚ページ6

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3年前、27の頃。

私は2年間付き合った彼と別れた。

25歳から付き合い始めて、
1年と3ヶ月経ったあたりから同棲を始めた。

最初は楽しかった。

家に帰ったら彼がいて、
一緒に料理したりテレビ見たり歯を磨いたり。

けど嫌なとこも見えてくるわけで。

お互い様やったけど。

結局別れてしまった。

あのまま別れなかったら
私は今頃結婚してたんだろうか。

もしかしたらこどもとかいたんやろうか。

って、たまに考えることがある。

「やっぱ同棲ってしない方がいいと思うねん。やなとこいっぱい見えてくる」

「けど結婚してから気づくよりええんちゃう？」

「それはまぁ…一理あるか」

「しゃあないやん？そういう運命やったんやろ」

村上の手元にある
さっき来たばかりのハイボールは

あっという間に半分がなくなっていた。

「婚活…婚活か～。なにがある？」

「…結婚相談所？」

「古いわ」

「お前が聞いてきたから答えたのになんやねんそれ」

「ほら、あるやん。街コンとか、マッチングアプリとか」

…言うて私もそんな知らんけど。

「はぁ～、ついていかれへんわ」

「おっさんやなぁ」

「うるさいわ！俺がおっさんやったらAもおばさんやからな」

「うるさいわ」

「なんやねん」

ケラケラと楽しそうに笑ってる村上。

私のビールもあと少しでなくなる。

差し出されたメニューを見ながら
店員を呼び、梅酒ロックを頼んだ。

「まぁ婚活してどうしても見つからんかったら、俺がもらったるわ」

「は？なんやそれ、すぐ見つけるわ」

「おー、頑張りや～」

なんて呑気にハイボールを飲み干すから、腹が立つ。

「村上は結婚とか考えへんの？」

「そんな意識することないなぁ…。あ、でもヨコは彼女できたらしいで」

ヨコっていうのは、村上の同期。

たまに話に出てくる。

どうやらイケメンらしい。

「へぇ。まるちゃんもおるしね」

「せやなぁ」

「村上は彼女ほしくないん？」

「んー。…ほしいかほしくないかで言うたらそりゃほしいけど、別にお前みたいに焦ってない」

すぐ余計なこと言う。

「あーそうですかっ」

「そこは男と女とで感覚違うやろうからなぁ」

「…まあね」

余計なこと言うたか？
って村上は笑った。

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