村上くんと恋をするなら (ページ19)

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歯切れの悪い村上ページ19

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「瑞稀が結婚式でも出会いを求めててん。びっくりした。こんなとこで？！ってさ」

「瑞稀って誰や」

「あぁ。高校の友だち。さくらと3人でバカやっててん。そんでこないだの合コンの主催者」

「ほぉ～」

ビールの空き缶が4つ転がっている。

お互いに3本目。

冷蔵庫にあった余り物で
適当に作ってみたおつまみがまたおいしくて

ビールが進む進む…。

冷蔵庫にビールはあと
4本くらいしか入っていない気がする。

「結婚式で出会いって、どういうことや」

「わからへんやろ？」

「わからへん」

ほら、やっぱり。

結婚式で出会い求めるとか
よくわからんやん、みんな。

「なんかな、結婚式で出会い探して、幸せ分けてもらうねんて」

「へぇ…」

「私としては、結婚式に参加できただけで幸せ十分分けてもらえてるねんけどなぁ」

「…お前そういうとこ、」

「ん？」

「や、…なんでもない」

珍しく歯切れの悪い村上の顔を覗き込むと
見んなや、と手で制されて顔を背けた。

…なんやあれ。

空き缶がどんどん増えていく。

梅酒もあけたりして。

ふと気づくと
テレビは知らない番組を流していて

時計を見ると時間がだいぶ経っていた。

「…寝てた」

化粧だけ落とそう。

そう思って立ち上がると
足元に村上が転がっていた。

腹出して寝てる。

「風邪ひくで」

ちょん、とお腹を蹴ってみたけど
全く起きる気配なし。

仕方なしに毛布だけ掛けて
化粧を落としに行った。

あれ、どうしようかな。

まぁどうしよう言うても
終電終わってるし寝てるし

そのまま寝かせといて
明日の朝追い出せばええか。

…しゃあなしやな。

転がっていた空き缶たちだけ
とりあえずキッチンに持っていき、

テレビと電気を消して
寝室に向かった。

ベッドに潜るとすぐに睡魔が襲ってきて
あっという間に夢の世界へ連れ去られた。

＿＿

＿

「…ん、」

太陽の光がカーテンの隙間から差し込んでいる。

次に目が覚めたのは8時過ぎ。

一瞬仕事に遅れる…！と焦ったが
今日は日曜日。安心してもう一度ベッドに潜る。

「……ん？」

いつもの朝となにか違う。

いい匂いがする。

昨日の記憶を辿る。

そうだ、村上と飲んでたんだ。

ということは、

「あ、」

「おはよ。起きたか？キッチン借りとるわ」

村上がキッチンに立っている。

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