村上くんと恋をするなら (ページ14)

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本物のヨコページ14

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「なんですか？」

「このあと空いてる？」

「え、」

こ、こ、これは…

「このへんホテル街やねんて。」

「…きしょ。」

「は？」

…いや、ないわ。

やる気満々やん。

ていうかホテル街で合コンやるってどうなん？！

やる気満々やん(2回目)

なんて思いながら歩いていた時

居酒屋から出てきた集団とぶつかった。

「ごめんなさい、」

「わわ、ごめんな？…って、Aちゃん？」

「へ、」

顔を上げるとそれは、まるちゃんだった。

「おー、ほんまや」

後ろからひょこっと顔を出したのは村上で
あと、もう一人。知らん人。

「まるちゃんや～びっくりした」

「ごめんな？痛いとこあらへんかった？」

「へーき。ありがとう」

知らん人に目を向ける。

ちょ～～～色白ない？

こんな夜やのに、めっちゃ白い。

もはや発光してるくらい。

「あ、ヨコや、ヨコ。こいつは大学の同級生」

そう言って村上は頭に手を乗せるから
一応振り払うと楽しそうに笑いやがる。

「どうも。横山です。話は聞いてます」

「あ、こちらこそ。渡辺です。話は聞いてます」

本物のヨコや～～って少し嬉しくなる。

村上の話でしか知らんかったから
もはや偉人とか芸能人のレベルで嬉しい。

よく見たらめっちゃ綺麗やん？

と人の顔をじろじろ見てたら
それに気づいたヨコは恥ずかしそうに顔を背けた。

あ、ごめんごめん。

「一緒に飲むか？マルの慰め会しとってん」

「まるちゃんどうしたん」

まるちゃんに目を向けると
あ～…と後ろ頭を掻いた。

「ふられてんて、な？」

村上にそう言われ、小さく頷くまるちゃん。

じどーー…っと小さく睨んでる。

「嬉しそうやな、信ちゃん…」

「嬉しいことないやろ」

や、確かに面白がってるとこあるやろ。

飲むか？って聞かれたはいいけど
返事をする前にもう居酒屋に入っていて

しかも席は村上とまるちゃんが隣で
私とヨコが隣。(何故？！初対面やん？！！)

ヨコって確か人見知り(村上の話によると)
だからお互い気まずいし…。

席に座るや否や村上はトイレに行って
ヨコはおしぼりが足りないからと席を立った。

「まるちゃん、ヨコと面識あるんやな」

「ヨコって、横山くんのこと知ってるん？」

「知ってるっていうか、村上の話によく出てくるから」

「あー、なるほど。俺もそれほど面識ないねん」

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