村上くんと恋をするなら (ページ1)

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真っ白な封筒ページ1

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郵便受けって、どうしても確認を忘れてしまう。

「うっわ…」

新聞を取っている訳では無いから…
ってしょうもない言い訳をしてみるけど

多分1週間、ってとこだろうか。

さすがにそれくらいにもなると
郵便が山のようになっていた。

全部取り出して、
部屋に戻ってからテーブルに放り投げる。

ほとんどが勧誘みたいなものだろう。

そういうのが多いのだ。
なんでだろう。

とりあえず、部屋着に着替えて、
洗濯機回してご飯を作る。

プシュッと気持ちのいい音を出した
仕事終わりのビールは至福の時間だ。

「いただきまーす」

そんな私の呟きは
誰もいない部屋に響く。

テレビからは綺麗な女優さんの笑い声が聞こえた。

「あ、せや」

とさっきの郵便たちに手を伸ばす。

近所にできた美容院のハガキ。
賃貸マンションのちらし。
免許更新のお知らせ。…更新しなきゃ。

そして、真っ白な封筒。

最近これが結構多いんだ。

何しろ私ももう30。

…結婚ラッシュ、よね。そりゃ。

「次は誰だ…っ」

パッと封筒を裏返し名前を見ると
思わず驚きの声が大きくなってしまった。

私の声に驚くように
テレビまでしんっと静まって

焦ってテレビを見ると
どわぁ！！っとテレビの中の人たちは笑い出した。

タイミング…。

や、だって、親友やもん。

封筒の裏には、
「柚原さくら」って親友の名前。

高校生からずっとバカやってきた親友。

なんも聞いてへんねんけど？！！

LINEのトークで一番上にいるさくらの
トーク画面を開いて、通話ボタンを押す。

さくらはきっとこの時間、暇してるはず。

そんな私の予想は的中。
「もしもし～？」って気の抜けた声が聞こえた。

「もしもし、さくら？」

「どうしたん。」

「封筒！届いてんけど！！」

「あは、届いた？」

へらっと笑うとこ好きやけど、
今は殺意さえ覚える(嘘)

それは言い過ぎやけど、
そんなとこも好き～って言えるほどではないっていうか、

…まぁいいや。

「聞いてへんねんけど？」

「うん。言うてない」

「なんで？！」

「…サプラーイズ！！」

「はぁ？」

電話の向こうでケラケラ笑ってるさくらは
この私の反応を楽しみにサプライズしたのだろう。

「突然親友からの結婚式の招待状が届いたら、どんな反応をする？…というドッキリでした！」

「ふざけんな！！！」

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