天龍寺 ページ22
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「好きやねん、ここ」
「天龍寺か。初めて来た」
拝観料を払ってくれてる間
私は辺りを見渡す。
多分9月の京都はオフシーズンなはずで
しかも平日だから人は少なめだ。
相変わらず外国人が多いけど。
旅館のチェックインまで
そこらへんをぶらぶらしようと嵐山へ来た。
それなら、と天龍寺へ連れてきてくれたのだ。
「おぉ、結構広いんや」
「そうそう。庭には結構人おるけど中まで入る人ってそんないないみたいで、結構静かやねんで」
確かにお庭の方を覗くと、それなりに人がいた。
お庭を眺められるところに座って
ふたりでぼーっとお庭を眺める。
賑やかな大阪とは全然違うから
なんだか心が落ち着く。
隣の隆平を見ると、ぼーっとお庭を眺めていて
私の視線に気づくと、ふわっと微笑んだ。
「お庭も行ってみる？」
「うん、行く！」
靴を履いて庭へ回る。
寺の中からも見えた大きな池は
お庭からの方が大きく感じた。
上の方も行けるねんで、
と軽いハイキングのような道を登っていくと
「わぁ、」
京都の町が一望できる場所へたどり着いた。
「あんまここまで来ないねん、みんな。」
ベンチに座って、隣に促す隆平。
まだまだ蒸し暑い日が続くけど
自然に囲まれたこの場所は少し涼しい。
「俺昔から、やなことあったときとか一人になりたいときとかここ来るねん。なんも考えんと、ぼーっとすんねん。」
「落ち着くもんね、ここ」
「うん。ほら、」
と指さした先には京都タワーが見える。
「ここから京都タワーも見えて見晴らしもいいし。人も少ないから落ち着く」
「一人になりたいときに来る場所に私連れてきてよかったの？」
「俺が家出したらここ探しに来て？」
なんてな、と笑う隆平。
「なんか、連れてきたくなってん。今まで絶対誰にも教えたくないって思ってたのに、不思議やなぁ」
「…嬉しい」
「ん。」
ふふ、と笑った隆平は
優しく私の頭を撫でた。
「もーいっこあんねん。俺の好きなとこ」
「そうなん？」
「鈴虫寺っていうんやけど、バス乗って奥の方まで行かなあかんから結構行きづらいねんな」
「へぇ。聞いたことない」
鈴虫がいっぱいいて
説法が結構面白くて
わらじを履いた幸福地蔵さんが
願いをひとつ叶えに来てくれる。
そんなお寺らしい。
今度行こうな、と言った隆平に、私は頷いた。
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manbo(プロフ) - 丸ちゃんがとっても素敵です！ (2019年8月13日 11時) (
レス) id: 95cc161dc5 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 初めまして！十五祭の余韻が抜けずまるちゃんの話でドキドキしたいなぁと思って検索したところこの作品があって、読ませていただきました！すごくリアル感があって、想像してしまいました！渋谷さんがチューした時はビッックリしたけれども！すごく面白い作品でした！ (2019年7月20日 20時) (レス) id: f8bf0b205c (このIDを非表示/違反報告)
はるまる(プロフ) - ちっち。さん» はじめまして！コメントありがとうございます！本当ですか？！まるちゃん大好きになってもらえて嬉しいです！！村上くんのも楽しんでくださいな！ (2019年5月15日 20時) (レス) id: 74b7d9762d (このIDを非表示/違反報告)
ちっち。(プロフ) - はるまるさま。 はじめまして。この作品で普段マルちゃんをそんな風に意識したことなかったのですが、なんだかマルちゃんが大好きになってしまいました。ありがとうございます。今は、村上くんとの今後がとっても楽しみです。更新待ってます。 (2019年5月15日 19時) (レス) id: e0ad5c0d9d (このIDを非表示/違反報告)
はるまる(プロフ) - 高菜。さん» ありがとうございます！嬉しいです(^^)次回作もお楽しみに〜！ (2019年3月28日 18時) (レス) id: 74b7d9762d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるまる | 作成日時：2019年3月5日 8時
