いい人 ページ43
.
「もしもし」
「大倉くんがAのこと追いかけてったらしいやん？！」
挨拶もそこそこに
沙耶は興奮気味にそう言った。
沙耶と別れた後のことなのに
どうして知っているのだろう。
「ヨコが言ってた。走ってったって」
「そうなんや」
「で？なんかあったん？！」
「…送ってくれた」
とりあえず、そう言う。
でも
「で？」
とそれだけじゃないことはお見通しのようだ。
「……告白、された」
「ええぇっ？！！」
沙耶の大きい声に
思わずスマホを耳から離す。
この手の話になると
沙耶はとても興奮するのだ。
「展開早くない？！」
「私も追いつけなかったよ」
「ま〜でも、大倉くんそんな感じやったもんね」
「どんな感じ？！」
「Aのこと気になってそうな感じ」
そう言われてもピンとこない。
全然そんな気配なかったように思うし
なんなら沙耶の方が仲良くしてたやん？
「ヨコとバスケの話で盛り上がったり、ヨコと2人で話したりしてたやろ？」
「え、うん」
「その時大倉くん、Aのこと見てたもん。おや？と思いながら私は見物してた」
「…全然気づかなかった」
沙耶のことを言えないくらい
私も鈍いのかもしれない。
「沙耶は？」
「ん？」
「いい人いた？」
「私はすばるくんかな！」
それを聞いて横山くんの顔がよぎる。
「なんか気になるよね。不思議な雰囲気で」
「うん。わかる気がする」
「顔がめっちゃ綺麗やし！」
「…横山くんもかっこいいよね？」
なんとなく、横山くんを推してしまう。
いい人そうやし。
沙耶のことほんまに好きなんやなって思ったから。
「ヨコもかっこいいけどさぁ」
「うん」
「…よし。」
沙耶は電話の向こうで
深呼吸をしたようだった。
「Aが大倉くんとそうなら、私もすばるくんのこと飲みに誘ってみようかな！」
「えっ」
「別に好きとかやないで？今日あんま話せなかったし、あの人話してみたら面白そうやし」
さっそく誘ってみるわ！
と言って電話は切れた。
また頭の中には
横山くんの困った顔がよぎった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 159人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるまる | 作成日時：2019年2月1日 8時
